ごちうさ最新話の見どころまとめ(まんがタイムきららMAX2022年2月号)
「ご注文はうさぎですか?」(以下、ごちうさ)にはたくさんの魅力がありますが、いざ人に説明しようとすると何から話せばいいか迷いますよね。
キャラクターの成長?ストーリーの伏線?自分の中では素晴らしいものだと分かっているつもりでも、それを言葉にしようとすると案外難しいものです。
まんがタイムきららMAXの最新話を読むたびに、この作品の奥の深さを実感する自分がいます。何も考えずにごちうさのことを楽しむのもアリですが、せっかくならこの魅力を人に伝えられるようになりたいですよね?
この記事は、そんなファンのために、毎月更新されるごちうさの新たな魅力を紐解くことで、その見どころとなるポイントを整理し、まとめていくものとなっています。
さて、今月もごちうさの最新話が公開されました。
お話に関わる重要なシーンをピックアップしていきますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。
■ 一見すると花に目が行きがちな扉絵。でも実は…
毎月恒例のきらマ告知。今回の扉絵は、白い花を手に持ったチマメ隊でした。
大人っぽさと可愛らしさが同居したようなイラストですね。花と同じ白のワンピースが、これまた清楚さを引き立てます。
花といえば、花言葉を調べないわけにはいかないでしょう。個人的にはシクラメンが一番近い気がしましたが、人によってはアマリリスにも見えるらしく、諸説ありそうです。誰が見てもぱっと目を引く、綿毛のような花。これだけ花が存在感を放っていると、ついついその意味について考えてしまいますよね。
ただ今回は、花言葉以上に驚きのネタが隠されていました。重要なのは、花の位置です。白い花は左から順に、メグちゃんの目、マヤちゃんの口、チノちゃんの耳を塞いでいます。
「見ざる」「言わざる」「聞かざる」と、この一致は偶然ではないでしょう。そう、今回の扉絵は、三猿がテーマです。
三猿が本編に一体どのように関わってくるのかは読み取れませんでした。何かしら関係はあると思いますが、今後の話を読み進めるうちに明らかになるかもしれません。扉絵と本編の内容が関わっていることの根拠として、ごちうさ展のパンフレットに掲載されているKoi先生のインタビューから一部を抜粋しておきます(あくまで関わることが多いというだけなので、今回の扉絵と本編の内容が関わっているかどうかは不明です)。
■ お茶会リターンズ!feat.チマメ隊
現実の世界では冬の寒さが厳しくなってきましたが、木組みの街は、夏真っ盛り。今回のごちうさは、チマメ隊がオープンカフェでお茶をするお話でした。
夏服に身を包んだチマメがぴょんぴょん跳ねる一コマ。可愛いのはもちろんのこと、最近は三人が仲良くしているところを見ると嬉しいです。一緒の学校で同じクラスだった中学の時と比べれば、顔を合わせる機会は少なくなってしまったかもしれません。ですが、普段会えないからこそ、一緒にいる時間が嬉しい、今この瞬間を大事にしようという気持ちが伝わってきます。
お茶会といえば、以前にも同じ喫茶店に来たことがありましたね。ココアちゃんたちの動きを真似していたチマメ隊が懐かしいです(原作4巻2話「ティースタンドは高校の縮図」参照)。当時の三人はまだ中学生でしたが、今はもうすっかり高校生活が板についてきました。かつての自分たちと同じように、ティーセットの食べ方を真似する後輩たちも出てきます。
過去と現在を比較することで変化を描くお話というのはこれまでにも何度かあって、今回のごちうさもそうしたお話の一環です。お茶会の内容も、チマメの三人がお互いの成長した部分について語り合うものとなっており、後半は特にマヤちゃんの成長が強く伝わってきました。時系列順に、まずはメグちゃんの成長から見ていきます。
・周りの人に気を配れるようになったメグちゃん
ここ最近、特に旅行編あたりからツインテールにしているところをよく見かけるメグちゃん。話によると、どうやらリゼちゃんを意識しているみたいですね。
髪型を変えたのは、イメチェンしたかったのも理由の一部としてはあるようです。ただ、それ以上にシャロちゃんが寂しくないようにという思いがありました。シャロちゃん本人が気付いているかどうかはともかくとして、自分以外の人に意識を向ける余裕ができたのは成長ですよね。高校入学前は、マヤちゃんが自分から離れていく夢を見て不安になったことがありました(原作9巻9話「リトル*トレジャー*ハント」参照)。
個人的に最近のメグちゃんで思うのは、キャラの幅が広がったこと。今回のお話では、リゼちゃんの勇ましさを取り入れようとしています。一方で扉絵のメグちゃんはややミステリアスな雰囲気があり、ナナラビのメグちゃんは「色欲」の罪を担当したことで話題になりました。旅行編では、カジュアルな服装でヒップホップを踊ったこともあります。
場面に応じて、様々な顔を見せてくれる女の子。これもまた、昔のメグちゃんとは一線を画す変化ではないでしょうか。
ひょっとすると、メグちゃんは将来「舞台に立つこと」を少しずつ意識し始めているのかもしれません。明確な目標としてはまだ定まっていないとしても、才能は確実に開花してきているように感じます。「舞台に立てば可能性秘めた表現者になれる」とは、シャロちゃんの言葉です(原作8巻6話「足音タルトタタン」参照)。
・甘え上手は妹上手!チノちゃんの心の変化
チノちゃんもずいぶん変わりましたよね。ごちうさという作品そのものがチノちゃんの成長を大きく扱っており、これまで様々な変化が描かれてきたチノちゃんですが、今回は「年上に甘えらえるようになった」ことがポイントです。
長い髪の一部をツーテールにする髪型は、元々はココアちゃんが教えてくれたものでした(原作9巻10話「Is the order a cat?」参照)。以降はてっきり自分で髪を結っていると思っていましたが、実は毎朝ココアちゃんにやってもらっているとのこと。意外ですよね。ココチノ推しとしては、このシーンの破壊力はぜひとも強調したいところです。
ココアちゃんが冗談を言い、チノちゃんがそれに呆れながらもココアちゃんに身を委ねている様子が目に浮かぶようです。あまりにも尊すぎる…!
単に成長というだけでなく、ココアちゃんとチノちゃんの仲睦まじい様子がイメージできる素晴らしい一コマだったと思います。
・大人になる、ということ。マヤちゃんの恩返し
今回のお話はマヤちゃんの成長が際立っていましたね!リゼちゃんに三段アイスを奢るラストシーンに胸を打たれました。
が、そもそもマヤちゃんは一体どういう女の子だったのでしょう?彼女の成長を考えるにあたり、まずはマヤちゃんの人間性を今一度振り返ってみます。
マヤちゃんの性格は、一言でいえば「自由奔放」でしょう。活動的で人懐っこく、自分とは住む世界の違うお嬢様学校の生徒相手にも積極的にコミュニケーションを取っていく一面がありました(原作5巻10話「世界のすべては私の経験値」参照)。チノちゃんとメグちゃんをいつも元気に引っ張っていく、その一方で、自身のムードメーカー的な気質が周りの人から求められていることも理解しています。悩んだり、落ち込んだり、そういった姿を周りの人に見せたくない。ムードメーカーのイメージを壊してしまうような言動を避ける傾向にあります。
今回のお話も、成長の悩みをチノちゃんとメグちゃんに悟られまいとするシーンがありましたね。
自由でありながら、周りのこともちゃんと考えて行動している。そんなマヤちゃんの二面性を改めて強調した内容だったのがまず良かったです。
マヤちゃんがアイスを奢ったのは、二年前と同じ公園でした。「友達と進む学校違ったら、もう親友じゃなくなるのかな」。誰に見せたこともない寂しさが滲むマヤちゃんの心を、リゼちゃんが掬った日(原作3巻8話「スニーキング ストーキング ストーカーストーリー」参照)。あの日”だけ”のお礼をすることがマヤちゃんの目的であったなら、"今までの"という言葉はおそらく、"あの時の"に変わっていたはずです。
マヤちゃんの成長は、この言葉にこそ一番現れている気がしますね。思い返せば、マヤちゃんはリゼちゃんに怒られたことが沢山ありました。宿題をサボるのは日常茶飯事、いたずらをすること山のごとし。受験勉強をほったらかして「捨て生徒」にされたこともあります(原作7巻3話「捨て姉妹と捨てられた地の冒険」参照)。自由奔放なのがマヤちゃんの良いところではありますが、一方でリゼちゃんの優しさや善意を蔑ろにしてきたのは事実。
そういう過去を全部ひっくるめて、"今までの"お礼ということだと思います。怒られたことも、叱られたことも、今のマヤちゃんにとっては財産なんですね。
■ おわりに
さて今回は、チマメ隊の可愛さと成長が大きく描かれたお話でした。いかがでしたか?
ここでご紹介したものは、あくまで個人の解釈です。本記事を手がかりに、みなさんも自分なりの考えや解釈を広げてみてください。
またね!