華の金曜日

疲れてしまったと
誰にも言えない時が続く日々で
ビールを飲みながら日々の疲れを捨てようとする
どこにも行き場がないやるせなさがビールにより増加される。
アルコールの浮遊感を持ってしてもどこにも行けない悲しさが増えるだけ。

明日また後悔するんだろうなあ、と酒に話しかけても
何も言わないから、ありがたい。

言わなければよかったかな、言った方が良いかな、どうするのが正解だったのかな
私って一体、人間って一体、自分の中の自分より、一体いつから、誰かの中の私の方が正しくなったの?

あぁまたこの気持ちかぁと脳みそが言っている。酔が回ると共に周回し始める気持ち。

いっそビールと共に流し込めたらいいのに。

万能寄り添いビール君にだってできないことはある。
積っていくアルミ缶が、気持ちに比例しているように思えて更にやるせない。
何をしているんでしょうね、アラサー独身黙って働いてくれと言わずもがな。
バファリンを入れたらもう少し優しさを得られるんかい?

日々、今日を乗り越えるのに必死で、何も考える余裕もないくせに、
考えて、は諦めて、しょうもないと適当に切り捨てたふりをしつつ捨てきれず、
華の金曜日、詰んだ缶の分思い出す。
そんなことよりもっと考えて欲しいことがある気がするよ。
そうやって、きっと今年もこのまま終わる。

もっと、現実的に得られる欲しいものがあったように、
余程前の話だが、余程前の私にはあったように思える

1つ歳をとる毎に、できることも1つ増えていくとばかり思っていた。

実際は、1つでは済まない怖いものが増えて、できることもできなくなったりしている。

まだ髪が長かった頃の私が聞いたら、失望する、と思う間もなく「思った通りだよ」と返事をされた気がした

予想を裏切れなくてごめんよ、若き日の自分。

日々生きる程なにかが遠くなるのは、おそらく自分のせいなのだろう。
わかっている、それくらいは。
わかっても、それくらいだ。
どうしたらいいのかは、いつだってわからない。
最善解は、果たして死んだってわかるかもわからない。

救いようがないなあ。
それでも生きていられる世界は優しいのかもしれない。
優しいことは時に残酷だな、と思いながら
定期便で届いたビールを空ける。

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