見出し画像

『ゾンビランドサガ』で打ちのめされた話

『ゾンビランドサガ』のライブ中止が発表されました。
現地に行くつもりで調整していたので、中止告知が出た時は呆然としてしまったわけですが、そういえば『ゾンビランドサガ』のことを「今一番面白いコンテンツ」「こんな面白い展開を見せてくれること、早々ないと思います」と言い続けているわりにあんまり書いてなかった気がするので、気を紛らしがてら書いておきます。

音楽でやられる

私が『ゾンビランドサガ』で「これは凄い」と思ったのは音楽でした。
アニメ本編も面白かったし、どこへ収束させていくのかもワクワクしながら見ていたんですが、やっぱり一番「このアニメは凄いぞ」と思ったのは音楽で。
OPの「徒然ネクロマンシー」のアイドルアニメというよりは特撮とかの文脈に近い外連味のあるメロディも凄いし、二話のアニメの展開を踏まえたラップの展開も面白かった。
「目覚めRETURNER」の変則的なメロディ進行には「こういう方向で来るかー」と唸らされたし、リリィ達親子に焦点を当てたバラードの「To my Dearest」も素晴らしい。
センターをサキが努めた「特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~」なんて、氣志團とかあの辺の文脈を押さえているし、「アツクナレ」や「ヨミガエレ」、「FLAGをはためかせろ!」といった「フランシュシュの代名詞」とも言える楽曲もある。
あと生前の水野愛がセンターだった旧アイアンフリルの「FANTASTIC LOVERS」の「確かに10年前のアイドルソングだと言われると確かにそう」となるあの感じとか、新アイアンフリルの「ゼリーフィッシュ」の今どきのアイドルが歌うサマーソング感とか。
本当に上げ始めたら切りがないんですが、そういう作品の中で発表される楽曲がどれもこれも「ヤバい曲が来た」という手応えしかないのが本当にたまらなかったんですよ。
で、ベストアルバムに収録された「佐賀事変」は、「東京事変のパロディかよ」と思うようなタイトルからくる東京事変っぽいメロディ(より厳密に言えば椎名林檎っぽい)だし……。なんだこの作品ってなものですよ。
そういう曲の幅というか、ジャンルがないボーダーレス感は凄くアイドルっぽいし、楽曲のジャンルの違いをセンターの違いという形で表現出来るのも滅茶苦茶面白かったし、大好きなんですよ。

いやーもうたまらなかったんですが、ただ本気で「これは応援できるわー」と思ったのはライブを見てからでしたね。

ライブでやられる

2019年3月に行われた1stライブ。チケット取れなくてライブビューイングで見ていたんですが、やっぱり滅茶苦茶面白いんですよ。パフォーマンスのレベルも高い。
一番場数を踏んでいる田中美海はパフォーマンスの安定感も段違いだし、「To my Dearest」はライブで見るとやっぱり演出と振付で優勝できる楽曲だと思わされたし、衣川里佳はセンター曲こそなかったものの(当時はベストアルバムが出てなかったので)やっぱり歌が上手いし、要所で「ゆうぎり姐さんだ!」と思わせる仕草を見せてくる。
種田梨沙も本渡楓も凄く良くって「この作品は良い声優に恵まれたなぁ」と思ったのですが、やっぱり河瀬茉希と田野アサミが面白かったんですよ。

河瀬茉希はまず本人が感情豊かでノリが良くって、相当面白いキャラクターをしているのもいいんですけど、歌い始めると別物というかガラッと変わって圧倒的なパワーでねじ伏せるタイプの歌い方をする。なので、彼女が歌い始めると引き込まれる。圧倒される。
あのパワーは凄い。単独センターはなくて、大体種田梨沙とセットのはずなのに彼女が歌い出すと全部持っていく。二回ライブを見てますけど、何度見ても「凄い」と思いますね(逆に種田梨沙は技巧派なので、そこらへんのバランスは取れてるのも面白いところですね)。

田野アサミについては歌よりもやっぱり1stライブのMCが凄かった。
「武道館に行きたい」と言ったんですよ。1stライブで。
そもそも二期も正式に決まってないようなタイミングで、そんな事を言いますか。普通。
しかも堂々と言ったんですよ。「いつか行けたら良いね」とか、そういうレベルじゃない。はっきりと「武道館に行きたい」と言ったんですよ。
フランシュシュの1stライブって、どう見てもアニメ放送お疲れ様系の記念イベントなんですよ。
その記念イベント的なライブ公演で「最終的に行きたい場所」を宣言してくることってありますか? しかも「武道館」ですよ。あの武道館で「やりたい」と「行ける」という確信でもあったかのように述べてくる。
もう滅茶苦茶面白いじゃないですか。絶対見たいじゃないですか。
応援し続けたらこんな面白い物語が実現する瞬間に立ち会えるんですよ。
こんなの、応援するしかないしょう。
こんな面白すぎる物語の最初の1ページをキャストから展開してくるとか最高すぎる。

そういう経緯がありまして。
あっという間にファンに落ちたわけです。キャラ的には四号(純子)好きなんですが、キャスト的には田野アサミと河瀬茉希好きの人間になってしまいましたね……。

そしてリベンジへ

結局『ゾンビランドサガ』のライブは中止になってしまったんですけど、アニメは二期も控えているし、キャストは二期のタイトルにも入っている「リベンジ!」を掲げていて、本来とは違う形ではあるけれどまだまだ諦めていない。
そういうところを見ていて「私もリベンジしてやるからな……!」という気持ちになってきています。今。「こんなところで死んでたまるか!」と
直前のことすぎて虚無感はまだ確かにありますが、少なくとも二期の『ゾンビランドサガリベンジ』で首の皮一枚は繋がっているので、次に希望を託します。

我々は決して嘆きはしない。
力の限り叫ばなければただの屍に成り下がることを知っているからだ。
我々は戦わずして腐り朽ちはしない。
今こそ立ち上がり、我々の尊厳のために声を上げろ!
これは運命へのREVENGE。
理不尽な運命の炎に焼き焦がされてきた我々の尊厳を取り戻す戦いなのだ!





プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。