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ライブ「Hello! プリ☆チャンワールド」で画面越しに繋がることと、作品の魅力をもう一度見つけた

7月18日に開催されたライブ「Hello! プリ☆チャンワールド」を見ました。

これまではプリティーリズムシリーズやプリパラシリーズとの合同開催ばかりで、単独公演が実現してこなかった『キラッとプリ☆チャン』が配信限定とはいえ初の単独ライブを開催ということで楽しみにしていたのですが、期待していた通りの楽しさがあって、とても良かったです。

今回はそんな「Hello! プリ☆チャンワールド」について、書いていきたいと思います。

画面越しの不安を乗り越えた先の面白さ

今回のライブは「無観客」「配信限定」というものでした。
こういう情勢なので、観客を会場に入れることが出来ないのは分かりますし、「配信限定」という形でもライブをやってくれただけありがたいところですが、そもそも配信限定って「ステージに立っているキャストは観客の反応がすぐに分からない」が難しいところだと思うんですよ。
キャストと観客が同じ空間にいればリアルタイムで返ってくる観客の反応も、配信限定だとどうしても「羅列されたファンのコメントを読む」という行為が必要になるのですぐには反応を拾えるわけではない。
音楽ライブだとその辺は特にそうで、パフォーマンスの最中に「反応を拾う」とか困難だと思うのです。
同じ空間にいれば「始まる前のフォーメーションで気づいた観客の期待」が声として聞こえてくるし、自分達のやったことが表情とか応援になって返ってくるので「やったこと」に対する反応はリアルタイムで拾えるけれど、配信限定だとそういうのは出来ない。どんなパフォーマンスをしていても「これがウケてるのかどうなのか」がコメントを読むまでは分からないんですよ。
「目の前に観客がいる」ということは、それこそ「パフォーマンスの出来」に直結することで、実際今回のライブも最初の方はキャストも「どういう方向でやったらいいのか」というのを模索している感じが見受けられました。
赤城あんな役の芹澤優さんが出とちりをしたのは大きいミスでしたが、他のキャストも「いつもとはちょっと違う」と感じる部分は多かったように思います。

ただ「自分達のパフォーマンスで見ている人達が喜んでいる。楽しんでいる」ということが分かった時からパフォーマンスの質が目に見えて良くなったんですよね。

ミラクルキラッツとメルティックスターは昼公演のオープニングが終わった後ぐらいから。他のキャストも遅くとも夜公演には本来の調子を取り戻していて、アドリブでカメラ目線を送ってみたりと遊びを放り込んでいく余裕が出てきていて、この切り替えの速さと「どうやって合わせていけば良いのか」のチューニングの上手さが見所になっていたと思うんですよ。

そういう「経験がある人の方が少ない状況下でのパフォーマンス」ということを理解すればするほど、白鳥アンジュ役の三森すずこさんの「最初から出来上がってるパフォーマンス」が凄かったですね。
元々プロ意識の高く、どういう状況下でもパーフェクトを目指す人ですが、こういう形式のライブでも外してこないし、夜公演ではさらにアニメに近づけてくるので驚きました。
今回二回目の佐々木李子さんは昼公演では二年目完結時点での虹ノ咲さんっぽい歌い方、夜公演では本編とほぼ近い歌い方をした「フレンドパスワード」を披露していて、歌での表現力がちょっと凄すぎましたね。

またスタッフも昼公演はカメラワークやスイッチングなど気になるところがありましたが、夜公演だと改善されていたところも素晴らしかったです。
最後の「ダイヤモンドスマイル」とか夜公演だとレール移動の長回しでステージ上のキャスト全員を写していて面白かったです(代わりに特別な演出とか一切なかったんですが、まずは出来るところからやってる感じで好感が持てましたね)。

あと最後の佐々木李子さんのMCは本当に良かった。

でも、正直、無観客で、画面越しで思いって伝わるのかなって凄く不安でした。でも今日歌ってみて、みんなからのいいね!が凄くたくさん伝わってきて、私達はどんなに離れていてもずっと大丈夫って、そう強く心に思いました。なので、またこうして楽しい時間一緒に過ごせるように、どうか皆さん元気でいてほしいなと思います。今日は本当に勇気と元気をありがとうございました。

「やってみなくちゃ分からない」

また今回のライブは「『キラッとプリ☆チャン』という作品のライブ」だったから良かったと思います。
「動画配信」「自分発信(=自分の気持ちを誰かに伝える)」がテーマで、作中でも自分達のライブを配信している『キラッとプリ☆チャン』で「配信限定ライブ」ってまさに「作中でキャラクター達がやっていることそのもの」ですから。
それにキャストもアニメのパフォーマンスを可能な限り再現しようとしてきたのが『キラッとプリ☆チャン』なので、「作品の持つ特性」と「配信限定ライブ」と「パフォーマンスの方向性」の三つが上手く噛み合った結果が「作中世界の配信を覗き見しているかのようなライブ」担っていたんじゃないかなと思います。

またシリーズを貫く「やってみなくちゃ分からない。分からなかったらやってみよう」というテーマに救われていたところもあったようで、その辺りは夜公演の桃山みらい役の林鼓子さんのお話でも言及されてましたね。

いつもとみなさんが目の前に、こういう状況なので、いないっていうことで、なんていうかこう、どういうことなんだろうみたいな。画面越しってどうやってやるんだろうなみたいな。ちょっと未知数なところがあったんですけども。でもプリチャンのテーマが『やってみなくちゃわからない。わからなかったらやってみよう』っていうのもありますので、まさしくそれだなと思いまして。今日は緊張していてはいたんですけども、よりみらいとしてステージに立てたのかなと思います

ライブが始まるまで、下手するとライブが始まってからもファンもキャストも不安なところはあったと思うのですが、「やってみたことで分かったこと」って多かったんじゃないかなと思います。
ファンとしてもライブが始まる前に抱いていた疑問点が解消されたりとか、もしくはライブ中に気になったところとかなくはないし、そのことはアンケートとかにも書いたんですが、ただこれらの「分かったこと」って「やってみなくちゃ分からない」なんですよ。ライブをやってみたからこそ見えたことなんですよ。
今回の配信ライブで「同じものを見て盛り上がることで生まれる一体感」とか、多くの人が感じたと思います。それは現地ライブとはまた違った一体感ではあると思いますけど、その「現地ライブとは違うだろうけど、楽しい一体感」というのもまた「やってみなくちゃ分からない」なわけで。
そういう「やってみなくちゃ分からない。分からなかったらやってみよう」の気持ちでキャストもスタッフもファンも、やってみたからこその今回のライブの成功だと思います。
そして今回たまたま時間が合わなくて見れなかった人達に、「面白かったから次は一緒に見よう」と発信するのも大事だと思うので、ドンドン自分発信していきたいですね。

最後に

こういう情勢になってから「ライブ」というものについて、改めて考えることが多かったのですが、今回のライブは「今までは当たり前すぎて深く考えてこなかったもの」の大切さをより強く感じさせられたライブだったと思います。

やっぱり「同じ空間にキャストも観客も存在する」ということは強いですよ。絶対的な強さだと思います。
だってタイムラグなしで反応を返せる/返してくるわけですから。これはそう簡単には代替できないものでしょう。VRでも難しいと思います。
だからこそ「自分の言葉で、自分の想いを発信すること」は、今まで以上に大事になってくるんじゃないかなと思います。
現地にいてサイリウムを振ったりすることが出来ない以上、「面白かった」とか「楽しかった」とか、短くてもいいから発信していくことが一番の応援になる時代になってるんじゃないでしょうか。

そういう小難しい話を抜きにしても、今回のライブは「見てよかった」と思えるものでしたし、次のライブに期待できるものだったので、楽しみにしています。
私はなる店長のライブをもう一度見たいです。あとアイランジュと、あんえものアドリブ喧嘩百合(同じi☆Risの芹澤と久保田だから出来ることすぎる)。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。