見出し画像

『プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2022』を見て『良かった!』という話をしたい

12月4日にプリティーシリーズ恒例の年末ライブイベント『プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2022』が開催されました。
今回はタイトルからも分かるように『プリパラ』『キラッとプリ☆チャン』『ワッチャプリマジ!』の三作品(『アイドルランドプリパラ』『アイドルタイムプリパラ』も入れると実質五作品)合同のライブで、出演するキャストも三作品一緒なので歴代最多。切れ目なく誰かが歌っているという何とも凄いライブでした。
またシリーズファンの目線としては「アニメシリーズが一旦区切りをつけた後の最初のライブ」ということが結構大事な部分で、「ここで何を見せられるか」という点を楽しみにしながらライブを見に行ったんですが、不安感を吹き飛ばすような素晴らしいライブでした。ちなみに今回も一日二公演です(つまり昼夜見ると6時間近くある)。

いつものことを過去最大規模で

今回のライブが終わって、まず最初に感じたのは「プリティーシリーズ史上過去最大規模のライブだった」ということでした。
ステージに立つキャストだけで全部で41人いて、ライブ公演時間も2時間45分もある。
子供向け作品ということもあってか、一回の公演が2時間程度で終わるのがプリティーシリーズのライブにおいて、「一公演3時間弱もある」という今回のライブは「最大規模」と言っても決して言い過ぎではないでしょう。
プリティーシリーズのライブではもはやお馴染みとなった『フル尺は初披露以外ほぼワンハーフ』『MCを極力削って一繋ぎのように次々と曲を披露する』『アンコールなし』『以上を二時間でまとめる』という「少しづつ摘むことで満足感を出す」というフルコース感のあるセットリストは今回も採用されていましたが、なにせ全部で2時間45分もあるので。この二年ぐらい使用されてこなかったトロッコも復活したことで演出の幅も広くなり、昼も夜も「まだあるの!?」と思ってしまうほど、ボリューム感たっぷりのハイカロリーなライブだったと思います。

個人的にはやっぱり「輝アリス役のファイルーズあいの登場」が嬉しかったですね。
実は『キラッとプリ☆チャン』三年目となる2020年のウィンターライブにも出演しているのですが、その後彼女はプリキュアやジョジョ、そして現在放送中の『チェンソーマン』などの大きな仕事を次々とこなす声優になっていった。
その活躍っぷりを嬉しく思う反面、「これはもうライブイベントなどでは見れないのでは?」と寂しく思う気持ちもあったんですが、今回久しぶりに出演してくれた。もう「諦めかけていた夢が叶う瞬間」じゃないですか。
昼公演で近い距離でファイルーズあいを見た瞬間に「輝アリスだ」と『ファイルーズあいをまたここで見れる日が来るとは」と思って泣きそうになったんですよ。前回出演時からの活躍っぷりを知っているだけに、見た瞬間変なスイッチが入りました。良かった。指出毬亜とのデュオも見れたし、芹澤優もトロッコで近くまで来てくれたので楽しかったです。
今回初参加となった田丸篤志と梶原岳人の二人に心がわちゃわちゃしてたら、夜公演で梶原岳人に手を差し伸べられて召されたりしてたんですが、兎にも角にも「Make it!完コピ相良茉優」。
もう名物になりつつあるし、演じているキャラクター的にもあってるので、このまま貫いてほしいですね。

さよならじゃない。終わりじゃない。

ただ「過去最大規模」は、今回のライブの一番の見所ではないんですよ。
もちろんそこも凄かったんですが、今回のライブで一番凄かったのは「まだまだ終わらないよ!」ということをあの手この手で演出してきたこと。そこがとにかく強かったと思います。
それは今回の規模の大きさからも察することが出来るんですが、牧野由依のライブへの復帰を「牧野由依が演じた黒須あろまの復活の儀式」と言う寸劇でやってしまったことや、紫京院ひびき・ファルル・緑風ふわりの三人に新衣装と新曲を用意したこと辺りは、特にそういう「まだまだ終わらない」という強い意思を感じました。
こういうのってやっぱり『終わらせる気』だと出来ないと思うんですよ。
本当に今回が最後で、そういう告知をしているのなら記念的にやらせてもらえるかもしれません。最後だからと大きなことをやらせてくれるところも多いですからね。
でも今回は別にそういう告知はされていない。「毎年やってるライブ」として開催されたものの中で、「牧野由依の復帰」と「新曲&新衣装」という2つのことをやっている。
それが出来るのは「終わらせる気」が、少なくとも今は無いからだと思うんですよね。つまり「来年以降も続く」からできることなんだと思うのです。
加えて言うならキャストが全員「この先」に全く不安感を感じさせることがなかったのもよかったです。
本当に終わるときって何となく分かりますからね……。
「そういう空気感を微塵も感じさせなかった」という点で、いつにも増して凄かったと思います。

世界の終わりを受け入れた話

真面目な話はここまでにして、今回良かったものの話をすると、まず青野紗穂演じるジェニファー・純恋・ソルが特に良かったです。
アニメでは「自分の本気を受け止めてくれる人間は誰もいない」という悲しみと絶望からラスボスとなり、世界を燃やし尽くす太陽となったジェニファーでしたが、まさか現実のライブで「アニメより凄い」と思うパフォーマンスを見ることになるとは思いませんでしたね。
歌い出した瞬間に「あ、終わった……」と世界の滅びを受け入れてしまうほどの圧倒的な歌唱力。今にも消えてしまいそうな小さな火から太陽のように強い炎まで。その振り幅からくるメリハリの付きまくった歌声にサイリウムを振るのを思わず忘れてしまうほど暴の歌でした。
アニメの観客達も言葉を失ってましたが、「あの歌声ならそりゃ言葉も出ないよな」と納得した後、今回のためだけに撮り下ろされたリューメとジェニファーの会話、そして「Believe」の一連の流れは「Believe」の歌詞に中身を与えるかのような演出で最高でした。「青野紗穂ならここまでいける」という信頼が為せる演出でした。
またプリパラ組もドレッシングパフェ→そらみスマイルの流れは本当に美しかった。
特に夜公演のこの流れはドレッシングパフェがゴッドアイドルを目指した時の、そらみスマイルが『アイドルランドプリパラ』だったので『プリパラ』への思い入れ分だけ涙腺に来る良い流れでした。

個人的には「最後の挨拶で突然漫才を始めるTrutHとガァルマゲドン」「漆黒の明星氏が『みるれもが好きで、みるれも推しで~』と語り始めた瞬間、『アザッス……アザッス……』と言い出す相良茉優」辺りも面白かったです。
あと「うちの子達どう!?かわいいでしょ!」と言い出すルルナこと山村響とか、ファイルーズあいと斎賀みつきの信頼関係とかもよし……。
とりあえずドレシに煽られてたので偉い人、そらみスマイル単独をお願いします。

結びに

今回のライブってある種の『賭け』だったと思うんですよ。
アニメとゲームとライブ。
『プリパラ』の成功以降、この三本柱で進んできたプリティーシリーズですけど、今秋からはアニメが無くなってゲームとライブだけとなり、コンテンツの存続を心配する声も多い。私自身、まだ先行きが見えないので不安な気持ちはある。
そんな心配するファンの気持ちにどれだけ寄り添えるのだろう。
何をやればファンの不安な気持ちを吹き飛ばすことが出来るのだろう。
プリティーシリーズが今回のライブで挑んだのは、そういう『賭け』だったと私は思うんですよ。
その『賭け』に勝ったかどうかはライブを見た一人一人が決める事ですが、「歴代最多キャスト」「歴代最長公演時間」「新衣装&新曲」「トロッコ復活」と打てそうな手は大体打っている点は評価したい。
ここまでやれるのは凄いと思うんですよね、本当に。

そんなわけで。
今年も良かったです。楽しかったです。
来年もこういうのがあるといいですね。




プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。