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Aqoursの存在を踏まえた『グランブルーファンタジー』のラブライブ!コラボが素晴らしかった

『グランブルーファンタジー』では8月12日から『ラブライブ!』コラボイベント「ラブライブ!school idol project ソラノトビラ」が開催されている。
シリーズとしては『ラブライブ!サンシャイン!!』に続いて二回目のコラボとなるが、今回も良質なシナリオであったのでちょっと書き留めておく。
なお調子に乗ってジャンヌルシオセルエルで周回してたら、一週間も経たずに200戦称号の「かしこいかわいい」を手にしていたのは私です。

矢澤にこの熱い想いが最高な前編

前編の素晴らしかった点は、原作への敬意を感じる物語展開と矢澤にこの使い方だ。

右も左も分からない自分達に優しくしてくれた村の過疎化を食い止めるべく、高坂穂乃果達はスクールアイドル活動で盛り上げようとするのだが、「自分達がライブをすると魔物を呼び寄せてしまう」という事実に気づく。
そこから物語は「魔物が現れると周囲に迷惑をかけてしまう。それなら自分達はライブをしない方が良い」と考えた高坂穂乃果達は、この世界で自分達のスクールアイドル活動に付き合ってくれた女の子達のサポートに回ろうとするのだが、矢澤にこだけがその判断に納得できず不満を募らせていた……という展開へと続く。
ファンタジー作品である『グランブルーファンタジー』でのコラボなので「魔物が出てくる」という違いこそあるが、おおまかな物語の流れは2013年に放送されたアニメ第一期と同じなのだが「原作の物語展開に敬意を払い、作品に合わせたアレンジこそするが肝となる部分は絶対に外さない」というシナリオを作ってきた点に長らくファンを続けてきた人間としては喜びを感じてしまう。
またアニメにおいて高坂穂乃果だけに与えられていた「私が動くと迷惑を掛けてしまう」という課題を「μ’s全体で考える課題」へとアップデートしてきた点も大事だ。
アニメでは「皆でフォローし合えばいい」として解決したものを「じゃあもし皆でフォローできない規模なら?」という形にできたのは『グランブルーファンタジー』という作品とコラボしたからこそだろう。
最終的には(グラブルのコラボイベントでは比較的よくある)夢オチに近い幕引きとなっているが、二期でも劇場版でも描かれなかった「一期の物語の発展型」を見られたのはファンとしては嬉しかった。

そして「μ’s全体が迷惑がかかるのでライブはやめよう」という空気になった時に「それでもスクールアイドルがしたい!」と立ち向かっていく矢澤にこの存在も最高だった。
思い返してみれば一期で穂乃果が「スクールアイドルを辞める!」と言い出して活動を休止した時も矢澤にこはスクールアイドルを続ける気満々だった。
その点はグラブル世界に転移しても変わっておらず、「それでも私はやりたい」と叫ぶ姿に矢澤にこの「スクールアイドルへの思い入れ」が現れていて最高だった。私は読みながら「にこはそうだよなぁ。だからにこなんだもんなぁ」と頷きっぱなしであった。

Aqoursの存在を前提にしたμ’sの話

後編の素晴らしかった点は「『ラブライブ!サンシャイン!!』の存在を前提として『ラブライブ!』が描かれている」という点だ。
前述した通り『ラブライブ!サンシャイン!!』は『ラブライブ!』の後継作ではあるが、両者が深く関わったことは自分の知る限り一度もない。Aqoursにとってμ’sは「偉大な先輩」であり物語と密接に関わっているが、μ’sの物語においてAqoursのような「後世のスクールアイドル達」の存在は重要なものではなかった。
今回のコラボイベントにおいて一番熱かったのは、その「後世のスクールアイドル達の存在」がμ’sの物語に生かされていたことだ。
Aqoursの存在を知る少女アイナを狂言回しとして用いる事で、μ’sのやっていること、スクールアイドルという存在の価値を全面的に肯定する。その後世を知る人間の言葉を受けてμ’sが黒幕の思惑を退ける――という展開は、『ラブライブ!』でも『ラブライブ!サンシャイン!!』でも見れなかったものだし、「外部作品でファンタジー要素のある作品とのコラボ」でしか実現しなかったものだろう。

原作においてされなかったし、できなかったことが行われた。

その時点で「ラブライブ!コラボ最高」である。
ありがとうグランブルーファンタジー。

おまけ

でも最終上限解放で選挙システムを用いるのだけは勘弁してほしい。
性能と直結しちゃうんで選びにくいんですよね……

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。