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『ウルトラマンZ』一話の面白かった点を書く

今年もウルトラマンの新作が放送される季節となりました。
映画『ウルトラマンタイガ』がまだ劇場公開されておらず、ラストエピソードを見ることが出来ないままで新作放送開始の日を迎えることとなりましたが、その新作である『ウルトラマンZ』が面白かったので、面白かったところを書いておきます。

「ご唱和ください、我の名を!」の大勝利感

何はなくとも、まずはこの変身口上の「勝ったな」感について語らずにはいられないわけですよ!
凄い発明だと思うんですよ。この「ご唱和ください、我の名を!」という変身口上。
「ご唱和ください」から分かるように、見ている人全てに「名前を呼ぶこと」を求めてくるんですよ。「ぼーっと見てるんじゃない。お前も俺の名前を呼べ」と画面の向こう側からガンガンに煽ってくる。
これ、滅茶苦茶面白いと思うんですよね。だってヒーローショーとかで絶対にやる奴じゃないですか。ヒーローショーとかに来る人間は皆見ているから、この変身口上が出てくるだけで観客と演者が一体となれるわけですよ。で、観客全員で「ウルトラマン、ゼーット!」と叫んだら出てくるわけでしょう? 盛り上がるに決まってるじゃないですか、こんなの。

この変身口上を聞いた時点で「勝ったな」と思ってしまったんですよね。
「ヒーローショーがある作品だからこそ出来ることをやってきた」という強さがある。「ご唱和ください、我の名を!」で『ウルトラマンZ』を見に来た空気が出来上がってしまう。『仮面ライダーディケイド』の「通りすがりの仮面ライダーだ」に匹敵する「これさえ言っておけば作品の世界になる」的なものを感じてしまいますね。

本編での使い方は「初変身」ということもあって、微妙に決まりきらない感じでしたが、息が合い始めたらまた印象が変わってきそうな変身口上なのがまた……。素晴らしいですね。

ウルトラマンZがかわいい

一話を見ていて一番強く感じたのは「ウルトラマンZはかわいい」ということでした。
ウルトラマンらしく威厳と貫禄たっぷりに自分と融合したハルキに話しかけてくるのに、地球語翻訳に不慣れなことと本人の人懐っこさのある性格が合わさって、「一生懸命ウルトラマンらしく振る舞おうとしているけど、必死で背伸びしている」というウルトラマンらしからぬかわいさがある。
去年の主役だったウルトラマンタイガも「ウルトラマンらしからぬかわいさ」があるウルトラマンだったんですが、ウルトラマンZの「一生懸命ウルトラマンらしく振る舞おうとするけど上手くいってない」と「翻訳機の不具合による言葉選びの辿々しさによるカタコト感」が絶妙に混じり合っていて微笑ましさがあるんですよ。
ウルトラマンZを演じる畠中祐の「一生懸命なのは分かるけど若干空回ってる」という演技もよくって、Zのかわいさにブーストをかけている感じがありますね。

ただアクションシーンになると、この背伸びしているかわいさに「格好いい」と「頼もしい」が混じってくるのが凄いなと思います。
ハルキと融合する前のアクションは「師匠」と呼ぶウルトラマンゼロのような軽快なアクションが魅力的で、「押しかけ弟子みたいなポジションとはいえ、ちゃんと弟子っぽいアクションだな……」と感じさせるわけですが、融合後はハルキの「空手が得意」という設定を窺わせる重みのある空手ベースのアクションをしてくる。
この辺のアクションの変化がたまらない。
アクションにしても「アイスラッガーヌンチャク」という、見たことがないものを見せてきてシビれましたね。格好よすぎる。

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最後に

全体を通して「一話で何を見せたいのか」が整理されている印象ですね。
話自体はウルトラマンの導入として大きく外れていないのですが、そこから外れたところにウルトラマンZのキャラクター性や、この世界の面白さが散りばめられている。
前述した「ウルトラマンZのかわいさ」なんかはまさにそれで、構成そのものは「いつもの」ではあるものの「ところどころの日本語が怪しい」がキャラクター的な魅力につながっている。
そうした外しの面白さをやりつつも、いつもどおりの気合の入った特撮アクションがあって、こちらも満足度が高いのが嬉しかったですね。
特にスラッガーヌンチャクは度肝を抜かれました。空手風アクションを重ねた後に出てくるのがアレだったのも良い変化の付け方でした。

二話以降も楽しみです。とりあえずセブンガーのソフビを買ってきます(ウィンダムも登場するらしい)

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一話でこの絵面は強すぎる。
セブンガーで薬莢排出を見てテンションが上がる日が来ると思わなかった。



プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。