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『アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism』は学ぶことが多くて困惑する

『アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism』をプレイした。
私は『アイドルマスターシャイニーカラーズ』にそれほど詳しいわけではないし、強い愛着があるわけでもないのだが、にも関わらずなぜプレイしたかといえば友人に「プレイして、この困惑を理解してほしい」と言われたからだ。
シナリオや細かい仕様、狂犬時代の如月千早と最初のTVアニメがロボットアニメだったことを除けば、アイドルマスターシリーズで困惑したことはそれほど多くないのだが、「困惑を理解してほしい」と言われたらまあやってみて、実際のところどうなのか確認するほかあるまい。やってみなければ分からない。分からなかったらやってみよう!の精神である。
そんな成り行きでプレイを開始した。そして困惑した。

『アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism』を一言で表すのなら、「デッキ構築型カードゲームとローグライク(ローグライトでもいい)を合体させたゲーム」になるのだろう。
デッキ構築型カードゲームというのは、つまりあれだ。『ドミニオン』だ。
『アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism』のプロデュース部分は「カードを仕入れて自分のデッキを徐々に強化していくデッキ構築のゲーム」なのだ。
『ドミニオン』と違うのは『ドミニオン』などは「カード置き場にあるカードしか仕入れることが出来ない」と決まっているが、『アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism』はレッスンやイベントで「プロデュースカード」というカードを入手できるが、この種類と強さがある程度ランダムであるということ。ここがローグライクな部分となっている。
今作は「アイドルユニットの育成」をメインとしているので、デッキ構築型カードゲームになった理由は分からないでもない。
アイドルユニットって個人同士の機能や性格が上手く作用するから面白し、そうした個人同士の作用と育成を両立させようと思うのなら「デッキ構築型カードゲーム」になるのも分からないではない。
ただ複雑すぎる……!プロデュースカードに記載された効果一つ一つはシンプルでも組み合わせを考えだすと止まらなくなる。デッキの回転率を考えて不必要なカードを破棄する圧縮も考えた方がいいし、プレイ終盤とかだと「プロデュースカードを入手することそのものが事故率の上昇を招く(ただし強めのカードは終盤に出やすくなってる)」というのもあって、「入手するかどうか」の選択も発生する。
そのため自分の中での定石が作るまでの学習コストがとにかく高い。
カードゲームをプレイした経験がある人間ならそこまで苦労しないと思うが、チュートリアルが不足気味なので自己学習するしかないのも大変だ。
「全ユニットに共通する部分」ですらこれだけ学習コストが高いのに、「ユニットごとに特性が異なる(正確には「ユニット専用プロデュースカードでユニットごとの個性を出している」と表現した方がいいか?)」というのがまた学習コストの高さを跳ね上げている。
例えばアンティーカは「メンタルが30%以下の時、カード効果を強化する」という専用カードを入手できるユニットとして設定されており、アンティーカをプロデュースする際の基本的な動きは「自分でメンタルを削っていくカードを使って、メンタル30%以下を維持し、専用カードの効果を強力な状態で起動させ続ける」になる。まさかの自傷キャラである。
コメティックは「カードを除外することでアドバンテージを稼ぐ」というユニットだし、行動ポイントを増やすカードを多く入手できるユニットもあるしで、「ユニットごとの特性を理解する」という事がプレイの上では重要になってくるのだが、なぜかこの辺りはチュートリアルでは全く触れられていない。本格的なプレイを開始してようやく「あ、これそういうゲームか」と気づく。最初にルカ引いたけど、ゲームを理解するには不向きだったので浅倉透を引くところからやり直しましたわ!
その辺りを理解しだしてからはある程度考えなくてもプレイできるようになったが、こんなものはバカみたいにゲームをプレイし続けた経験があるから出来ることであり、導線も含めた整備の行き届かなさや学習コストの重さなどはどうしようもなく。
正直まず最初に手を入れるべきは、しっかりとしたチュートリアルだと思うのだが、その辺りはどうだろうかプロデューサーさん。あとプロデュースするユニット選択時に「このユニットの特徴」とか出しておくともっといいと思う!

プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。