【AIがすべての芸術を生み出すようになった社会】第29話

「そうか」

 話を聞いた小此木が、腕を組む。それから黒縁の眼鏡のフレームの位置を指で直した。

「青山特別刑務官。ヨセフは引き続き、第一の警戒対象だ。ただ――ヨセフが過去に接触した御堂学園の三名、彼ら・彼女は身に危機が及んでいる可能性がある。青山くん、取り急ぎ君は、篝朔の護衛も兼ねるように。槇田くんには監視をつけると約束するよ」

 これが、彼らにとっての最初の事件、序章の終わりとなった。
 言われなくても、もう二度と害されることのないように、篝を守りたいと、この時確かに青山は考えていた。


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