審神者就任7周年・日記

「みずもち少尉」になる前の話だ。

 刀剣乱舞をインストールした。
 高校生のとき、文学の趣味が似ていた友人からすすめられたのだ。彼女の選んだ刀は歌仙兼定だった。当時、始まりの一振りという言葉はなかった。

 当時の私はスマホゲームよりもDS派であったし、TwitterやInstagramなどのSNSもやっていなかったので、刀剣乱舞がそんなに流行っているとは知らなかったのだが、友人の楽しそうな話しぶりからして、さぞかし面白いゲームなのだろうと思った。
 課題を片付ける午前三時の、ほんのわずかな休憩時間に、私の本丸は作られた。
 サーバーはほとんど埋まっていた。

 最初の刀を選ぶときにたいそう驚いた記憶がある。ポケモンではみずタイプを選んでいるが、果たして刀のみずタイプはどれなのだろうか。外見や声、プロフィールを見てもピンとこなかったので、最初に表示されていた加州清光を選択した。
 チュートリアル鍛刀では前田藤四郎。ドロップで乱藤四郎。鍛刀で和泉守兼定。ここで「ドロップでユニットが手に入るなら鍛刀しなくていいじゃん」と考えるようになった。

 攻略が進むにつれ、例のごとく短刀は編成から外れた。
 編成は加州、和泉守、陸奥守、長谷部が固定で、あとはテキトー。鳴狐と宗三の出番が多かったかな。
 燭台切と大倶利伽羅がドロップしてからは、固定打刀四振りに加え、その二振りが一軍になった。太刀は強い。
 蛍丸と太郎太刀がドロップしてからは加州と陸奥守が編成から外れた。大太刀は強い。
 今思えば投石兵を作ればよかったのだろうが、当時の私に遠戦の発想はなかった。なんせ攻略を全く見ていなかったのである。太刀と大太刀が最強なのだ。ガハハ。

 そして池田屋でドン詰まった。

 ここでようやく攻略を見た。慌てて短刀を育成した。
 メンツは前田、乱、推しの今剣。あとは薬研、五虎退、小夜だった。

 そこから極短刀無双時代が始まる。
 プレイ熱が薄れてきていたのもあり、私にとっての刀剣乱舞とは「極短刀ですべてを殴るゲーム」になっていた。
 すべてのイベントを極短刀で攻略し、新刀剣男士を迎え入れ、さほど育成することなく放置した。
 その状態が数年続いた。


 転機を迎えたのは今年の1月。
「九時から始まる九大発表!」とデカデカとした告知がTLに流れてきた。正直そこでの発表内容はあまり覚えていない。けれど、イベントもないのにログインしたのは久しぶりだった。
 アプリを開くたびに「オメーもうちょいログインしろや」とこんのすけの挨拶が飛んでくる。それから前田の長期留守ボイス。

 それから……手持ちの刀剣男士一覧を見て、おや、と思った。
 なんだかレベル格差が激しい。

 というかハッキリ言って極短刀以外育っていない。
 これでいいのか?
 正直極短刀以外強いイメージがないけど、極短刀以外にも好きなキャラはたくさんいるのだ。
 彼らをもっと強くしてやりたい。なんとかならんものか。なんとか……。

「刀剣乱舞 極 レベリング」で検索をかけた。
 すると出るわ出るわ先人の知恵。累積経験値、8面周回、7-4長距離、中傷進軍、真剣必殺戦術、白山病院、桜付け…………なにそれしらない…………。
 極打刀が強化されたと知ったときはメチャクチャ嬉しかった。実装初期の「うわ……」感を引きずっていたのだ。
 極短刀ほど強くなくてもいいのだ。育てれば有用である、それくらいでいいのだ。

 というわけで極レベリングをするぞー! おー!
 と、決意してからはや半年。なんとか定期ログインを続けられている。すごい。

 愛着もあるし、のんびり頑張りたいなぁと思う。
 

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