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学歴差別を経済学的に考える
差別はなぜ起こると思いますか?
この問いに対する答えを導くヒントは、「立場が異なると利益が異なる」という経済学的な原理です。
つまり、差別によって儲かる人々が存在するから世の中に差別が存在する、というのが一つの回答になります。
世の中に学歴差別があることで得をする人物はどのような立場にいるのか?少し考えてみましょう。
(1)塾の関係者
塾は学歴差別があることで客が増えます。もちろん、勉強したり研究したりする純粋な気持ちを応援するために塾を運営したり勤めている方々もいますが、劣等感を回復するソリューションとして儲かる側面があります。
(2)高学歴な人々
高学歴というのはいわゆる偏差値の概念に基づく言葉です。偏差値というのは塾のプロモーションキャンペーンで発生した概念ですので、高学歴を誇りにする人々はいわば塾の広告塔なわけです。
偏差値に基づく自信は偏差値によって揺らぎますので、例えば偏差値50の学生を見下す偏差値60の学生は偏差値70の学生に対して劣等感を抱くことになります。いわば諸刃の剣です。
(3)教員や親
学校の教員や親が学歴差別で得をするのは、その競争に参加して勝利したときだけですが、競争はほとんど自動的に発生します。
競争に参加する者は、勝利するために戦略を尽くすことになります。それは生徒や子供に対するプレッシャーを含みます。
私立の中学や高校であれば、学校の評判で生徒の数や受験人数が変動し、利益が変わります。この場合は塾と似ていますね。
偏差値の高い学校に進学した卒業生や子供を持つ教員や親は「優秀な教員」「優秀な親」というレッテルを手に入れます。レッテルは利益に変換することが可能です。
日本に住んでいれば義務教育が中学までとは言っても高校に進学する者がほとんどなので、企業は手っ取り早く学歴フィルターを設けます。そして家族は同一の経済圏に属しているため、子供が稼げるようになるように親が手を尽くすのは理にかなっています。
・学歴差別から抜け出す方法
塾が偏差値という概念を胸を張ってプロモーションできるのは、偏差値の高い者が稼げる確率が高いという事象を根拠にした自信があるためです。
稼ぐ能力と偏差値に相関性が無くなればこの図式は揺らぎますが、相関性はほとんど必然的に描けるでしょう。
そのため学歴差別から抜け出す方法は、偏差値という概念がない経済圏のみに依存することです。ただ、教育というビジネスが存在する文化にはほとんど必然的に発生する概念だとは思います。
抜け出さないまでも、最大限苦しまないようにするには、開き直って利用する側に回ることです。ただし諸刃の剣であることを自覚しなければいけません。
いずれにしても、これは他人に丸投げできる類の問題ではありません。他人に頼るということは、他人の利益モデルに依存するということなのですから。
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