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『のんのんばあとオレ』水木しげるの少年期ドラマ #好きな番組

妖怪漫画家・水木しげるの少年期を描いたNHK夏休みドラマ『のんのんばあとオレ』と、その主役の男の子と、あのころ小学生に流行った『学校の怪談』ブームの思い出のお話です。


NHKドラマ『のんのんばあとオレ』

平成初期、30年前の夏休み

「#好きな番組」というnoteのお題を見て思い出したのは、小学生のころ夏休みにテレビで見ていた『のんのんばあとオレ』というドラマのことだ。

正直子供だったので内容はちゃんと覚えてないし、好きな番組やハマったドラマは他にもたくさんあるけれど、大人になっても忘れられずにずっと「あの作品を見た」という思い出が残っている。
今は大人になってしまった皆さんにも、そういう番組がなにか一つはあるだろう。

テレビドラマ『のんのんばあとオレ』は1991年(平成3年)8月19日~8月23日に第一期が放映され、続編が1992年(平成4年)8月24日~8月28日に放送された。

お盆が過ぎ、子供たちの夏休みが終わりに近づく「夏の終わり」の空気感に、作風がぴたりと合っていたから30年以上経った今でも覚えているのかもしれない。

後述の『学校の怪談ブーム』もこの時期だったので、妖怪・お化けものはまさに子供心に刺さる、時代に合った作品だったのだろう。

内容は水木しげる大先生の少年期

内容は、妖怪漫画家・研究家の水木しげる大先生の少年時代の思い出を描いている自伝的ヒューマンドラマだ。彼の家にお手伝いに来ていた老婆(のんのんばあ)が、少年期の水木先生に妖怪やお化けの世界を語り聞かせつつ、彼を取り巻く人間関係も描写される。

※神仏に仕える人を「のんのんさん」と呼ぶ地方で、老婆は拝み屋の奥さんだったので「のんのんばあ」。
※「のんのん」の語源は諸説あるが、個人的には「観音様」から来たのかなと思っている。

私はなぜか第二期のほうを印象深く覚えていて、ガキ大将とのケンカや、仲良くなった少女がやがて神戸の芸者置屋に売られてしまう運命だったことなど、当時のなんともいえない切ない気持ちと共に思い出せる。

当時は芸者も遊女も区別なんてつかないので、なんとなく「遊女になるために遠くに売られてしまうんだ、かわいそうだ」という気持ちで見ていたように思う。

水木先生のイラストで妖怪も出ていたような気がするけれど、なぜかそこはすっぽり忘れて、切ない人間関係のことを覚えている。なんかもったいない。

「あの映像はもう見れないのかなあ」などと考えて検索したところ、なんとDVDが発売されていた。知らなかった。

ついでに原作漫画もあった(あたりまえか)。知らなかった。大人になるとこういう文明の利器で子供時代のノスタルジーをもう一度味わえるので、大人になるのもけっこういいもんですね。あとで買います。

1990年代は『学校の怪談』ブームだった

※画像はイメージです

1990年代は「第二次オカルトブーム」と言われ、『学校の怪談』はたくさんの書籍が発売され、映画にもなり、小学生の私たちの心をワクワクさせてくれた。ネットがない時代に、どうして全国的にブームになったのか当時はそんなこと考えもしなかったが、そうしたメディアの力が大きかったのだろう。

きっと当時、制作に関わっていた大人たちも、子供時代を思い出してワクワクしながら楽しく仕事ができたんじゃないかなと今なら思うし、そうであってほしい。

▼『学校の怪談』映画。うひひひひひひ

▼学校の怪談シリーズはいろんな本が出てたけど、図書館にも並ぶほど人気があったような気がするのはこのシリーズ。覚えている人もいるのでは?

子供時代にこういう「怖すぎない怖い話」に触れることができて、平成初期って結構わるくなかったな、なんて。

いろんな要素が合わさって、私は『のんのんばあとオレ』の存在を忘れずに覚えているのかもしれない。

『のんのんばあとオレ』主演の男の子のその後

ドラマ『のんのんばあとオレ』の主演として、水木しげるの幼少期:茂役を演じたのは「佐藤広純」という男の子。

放送当時、同じ小学生としてテレビを見ていた自分は、まさかその十年以上未来でリアルでお目にかかる日がくるとは想像もしていなかった。

そう、彼は子役として活動後、和風ロックバンドグループ『ゲビル』でボーカルとして活動されていたのです!!

▼ゲビル(GEVIL)-「拝啓ZIPANGソーラン武士(HAIKEI-ZIPANG-SORANBUSHI)」

他のバンド目当てで見に行った秋葉原のライブハウスで『ゲビル』を見た時は「かっこいい和風バンドだな」という印象しかなかったのですが、人づてに役者時代のお話を聞き、えっまさか…と思って調べたら『のんのんばあとオレ』の主役だったと発覚!

言われて思い出してみると、当時の面影があったので、人ってすごいですね。人生って面白いですね。ライブ楽しくて「WWW~ワールド ワイド ワッショイ~」で最高に盛り上がったのを覚えています。
※ゲビルは平成24年(2012年)に活動封印しています。
※突然私の口調が変わったのはその日の気分(よくあること)なので気にしないでください。

佐藤広純さんは2023年現在、『株式会社 Hero’s Me』の代表取締役となり、高円寺に『和楽器BAR 龍宮~Ryu Guw~』を経営する他、和太鼓師として活動されています。

▼和楽器BAR 龍宮~Ryu Guw~

Facebook▶https://www.facebook.com/hirozumi.official

昔テレビの中にいた人が、実際にまだ舞台の上にいる姿を見たり、大きく飛躍して活動されているのを知るのはなんだかすごく嬉しいことですね。直接の知り合いじゃないのに、なぜか幸せな気持ちになります。

たぶん私はこの先「のんのんばあ」と同じようなおばあちゃんの年齢になるまで、こういう作品をテレビで見たことや、その中にいた人をリアルで見たことなど、ずっと忘れないと思います。

そういうテレビ番組に出会えたことを、しみじみと嬉しく思っています。

▼のんのんばあとオレ(漫画版)

▼追記。有言実行で買いました。


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