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てぃくる 553 骨だけの傘
骨だけの傘を持ち歩いている人がいる。雨を防ぐことも日差しを遮ることもできない、役立たずの傘だ。なぜそんなものを携行しているのか、全く理解できない。
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その話を友人にしたら、友人があからさまに渋面を作った。
「なあ、そいつが変な傘を持っていることで、おまえになにか不利益が及ぶのか?」
「いや……単に変だなと思っただけだ」
「思っただけじゃないだろ。悪し様に喧伝するのは、傘の持ち主にではなくおまえの脳みそに問題があるぞ」
むっとして、言い返した。
「なぜ、私がそこまでひどく言われなければならないんだ?」
「俺から見ると、おまえはとことん変なやつだ。俺がそう言ったら、おまえは無条件に自分を修正するのか?」
「む……」
「ある行動、言動を見て理解できなかった場合。その原因は行為者にではなく、理解を拒否する観察者側にあるのさ。だから、脳みその問題だと言ったんだよ」
アイスバーの当たりの文字は焦げてゐる
(2019-06-13)
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