見出し画像

てぃくる 10 いつ咲くか

刈り込まれたハクチョウゲの生け垣
ぽつんと飛び出た枝の先に
一つだけ花が咲いていました

 夏の猛暑、冬の厳寒。気象条件の厳しい年は、いろいろな植物の開花タイミングが例年とずれやすいですね。ずれが極端に大きいと珍事としてニュースになったりもします。そのような季節外れの開花は、よく『狂い咲き』と呼ばれます。

 ですが。狂うっていう捉え方はどうかなと。花は、自らが咲くべきだと判断したタイミングで咲きます。それが妥当であるかどうかは花の方の問題。合ってるとかおかしいとか、外野のわたしたちがとやかく言うことではないはずです。
 『狂う』という字を当てるのは、人間のエゴや尊大さがくっきり浮き出ているようで、わたしにはどうにもしっくり来ません。

 返り咲き、戻り咲き、残り花、忘れ花。他にもいろいろな言い方がありますが、いずれも花の咲く時期を固定して考えるからこそ出て来る発想です。咲きたい時に咲けばいいじゃないか。ねえ、そう思いません?

 わたしたちが「時期なんだから今ここで咲け」と言われたら。とてつもなく息苦しいのですから。

(2013-02-18)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?