てぃくる 885 膨らませる
どうせ膨らませるなら
楽しいものの方がいいよ
夢にしても願望にしても。
それが叶うかどうかは別にして、どれほど膨らませてもいいじゃないか。味気ない毎日を明るく彩り、明日を手繰り寄せようとする意欲が生まれるのだから。
逆に。不平不満を膨らませても何一ついいことはない。それらを膨らませるほど自分が重くなる。足も手も動かなくなり、何もかも嫌に、億劫になる。
ああ、わかってる。かしこまって言う必要なんかないよね。みんな、わかってるはず。でも膨らむのは不平不満ばかりなんだ。なんの役にも立たないと思っていながらも、そいつらは勝手に膨れ上がってゆく。最後は破裂して、自分自身を粉々にしてしまうのに。それでも、ね。
◇ ◇ ◇
不平不満を溜め込むな。確かにそうですね。溜め込み過ぎると爆発します。時には自他の人生を終わらせてしまうほど、激しく。
でもね。溜まるのはしょうがないにしても、膨らませるのを防ぐことはできると思うんですよ。
膨らむのはふくらし粉のせいです。余計な修飾符は取り除きましょう。そうすればずっとガラクタがコンパクトになるはず。その分、心という倉庫にもっと喜ばしいことをいっぱい詰め込めます。喜ばしいことならどんなに膨らませても大丈夫。形も限度もありませんから。
「なぜ喜怒哀楽が、喜ぶから始まっているか知ってるかい?」
「ううん」
「残りの三つがなくなっても死にはしない。でも最初の『喜』がなくなったら、あたしら死んじまうんだよ。だから、さ」
(2022-02-12)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?