てぃくる 722 百日草
「いや、俺らがいくら元気でも、咲いた花が百日保つわきゃないって」
ええ。そうですね。
長い間咲き続けるから百日草であって、花が百日保つわけではありません。
そもそも、百は「多くの」「いっぱい」という意味で使われることが多いんです。百花繚乱は花がいっぱい咲き乱れる様ですし、百家争鳴はいろんなやつがいろんなことを言ってるという意味ですし、百年河清を俟つはいつまでたっても不正というのはなくならないものだというたとえ。数字の百そのものの意味は、すっかり薄まっています。
いにしえの時代は、百という数にとても多いというイメージを重ねやすかったんでしょう。今は億でも「えー、そんなもんかあ」というイメージになってしまいましたね。
そう考えると。
百獣の王、ライオンもたったそれだけの王かとしょぼさを感じてしまいますし。
なんちゃら百選も、ありがたくないから百も要らんと思ってしまいますし。
一罰百戒も、罰一回じゃ全然効果ないやんと思えてしまいますし。
お百度を踏むも、めんどくさいから一回でいいやと思って……。
ああ、こんなことを言ったら、百に百叩きされそうです。
百歳を数うる如く虫すだく
(2020-09-26)
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