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てぃくる 206 正逆

枯れ荻の間を縫って
水がさやぐ

枯れ荻は只の物であり
さやぐ水は
それをからかうかのように
自在に駆け回る

だが荻は生きている
つのぐみ
すくすく伸びて
やがて水面を覆い隠してしまうだろう

その時にも
水は変わらずに
ずっとさやいでいるのだが
もう顧みられることはない

荻は荻
水は水
荻が水になることも
水が荻になることも出来ない

それでも
季節を追って
正逆は入れ替わる

生死と色と音とを
様々に並べ
比べながら

(2016-02-02)

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