てぃくる 27 小さいこと
自分は小さくない、そう思っていても。地球ですら、宇宙全体から見ればごみのようなもの。わたしたち一人一人は紛れもなく小さいのです。
でも。小さくても。
色があります。
形があります。
意味があります。
生きています。
そして、それだけで充分です。
大きくなれることに果てがあるように、小さくなることにも果てがあるのですから。
コメツブツメクサの黄色い花の中から、ひょいと顔を出していたキュウリグサの花。どちらも、とても小さな花です。
ですが二人は、小さくても全く違います。花の色も、形も、印象も違います。共通しているのは、小さいということだけなのです。
全てをとろかそうとする甘い日射しの中で。僕は僕なんだし、僕以外にはなりえないよと咲く小さな花の呟きが、ぷつぷつと弾け続けています。
◇ ◇ ◇
「なあ、どっちが大きくなれるか競争しようぜ」
「かったるー。それにイソップの母さんカエルみたいに、無理してでかくなったら最後は破滅じゃん」
「めんどくせーやつだな。じゃあ、ちっちゃくなる競争ならいいだろ?」
「やだよ。意味ないじゃん」
「どして?」
「お互いにちっちゃくなったら、最後は相手がどこにいんのか分からなくなるも」
(2013-05-22)
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