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てぃくる 351 肉と骨

「やっぱ、食べるならお肉でしょ。骨なんか、わんこの歯固めにしかならないじゃん」
「そりゃそうだけどさ。カルシウム摂らないと、骨粗鬆症になるよ?」

「牛乳飲めばいいでしょ。骨なんかそもそもまるかじり出来ないんだし」
「うーん……じゃあ、食べるってことから外したら、どう?」

「は? 外す意味あんの?」
「お肉ってさ。食べなかったらただ腐るだけ。それ以外になんの役にも立たないよ?」

「むー……」
「骨なら、骨粉にして肥料に出来るし、健康食品の原料にもなるし、元がカルシウムなんだから工業原料にも使えるし。利用価値は骨の方がずっと高いじゃん!」

「分かったってば。でも、あんたなんでそんなに骨に拘るわけ?」
「そりゃあ……」


もうすぐ骨しか残らなくなるからよ!


 モロヘイヤ

 夏野菜としてすっかりおなじみになりましたね。ビタミンやミネラル、ぬめり成分を豊富に含み、その割には癖のない味なので、とても使いやすい野菜です。

 このモロヘイヤ。実は繊維作物としても利用されていることをご存知でしょうか? 成長量や収量は黄麻ジュートに劣りますが、実はジュートと同じ仲間なのです。野菜として見れば肉の部分を、製糸原料と見れば骨の部分を、それぞれ使っていることになりますね。
 葉をむしって食べ、さらに製糸原料まで確保しようというのは虻蜂取らずになりますが、糸作りをお子さんと一緒に体験する材料としてはおもしろいかもしれません。

 そうそう。野菜として広く普及しているモロヘイヤですが、葉の利用の旬が過ぎると、画像のように黄色い小さな花が咲き、そのあとタネの入った莢が実ります。
 その状態になったら、決して口になさらないようにしてくださいね。若い葉や茎は無毒ですが、タネと莢にストロファンジンという強い毒を含み、命に関わります。市販のものは若い茎葉だけなので安全ですが、家庭菜園などで育てる場合は、収穫時期のピークを過ぎたら刈り取ってしまった方がいいと思います。

 まあ、その頃には繊維を取れるくらいに硬くなりますので、物理的に食べられないとは思いますが。

(2017-10-28)

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