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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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#おばか

てぃくる 1021 米を研ぐ

「なに? 米を研いだことないって?」 「ない」 「炊く前に研ぐってとこまでは調べたわけね…

水円 岳
1か月前
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てぃくる 1009 亀の論争

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずって言ったのは福沢諭吉だったっけ」 「だけど、…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 936 階段の段

 階段の段は縦に配置するから意味があるのであって、横に並べたら階段にならないだろう? 「…

水円 岳
10か月前
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てぃくる 926 昼顔

「俺な、最近気づいたことがあってん」 「なんや」 「昼顔な、君が代に似てるねん」 「ばちあ…

水円 岳
11か月前
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てぃくる 917 本末転倒

「おいおいおいおい、これを俺の歯の間に通そうってか。通らねえよ、こんなごっついやつ。しか…

水円 岳
1年前
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てぃくる 916 場違いな増産

「社長! これはどういうことですか」 「……」 「だんまりを決め込んだってだめですよ! な…

水円 岳
1年前
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てぃくる 915 奇妙な主張

「どうも作品における主張が中途半端な気がする」 「ぼけ。尖りまくって目立ってるんだから、十分だろ」 「いや、俺的にはまだ甘い」 「いいけどよ。どんな風に主張するんだ?」 「まず。この時期には見られない稲穂をモチーフに取り入れてみた」 「だーかーらー。模倣のどこが芸術なんだよ!」 「全ての芸術は模倣から始まる」 「おまえが言うと、モーホから始まるに聞こえる」 「当たってる。オトコだからな。臭いもそれに合わせてある」 「スペルマ臭かよ」 「セクシーだろ?」 「でも、寄っ

てぃくる 914 永遠の未熟者

「のう」 「なんじゃ」 「わしら、どこまで修行すれば青帯を取れるんかのう」 「さあ。師の話…

水円 岳
1年前
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てぃくる 913 いじられる

「ああ、あんた。名前はなんと言うんだい?」 「ヘーベ、です」 「ほう、馬場さんか」 「違い…

水円 岳
1年前
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てぃくる 857 なぜ赤くなるのか

「寒いから赤くなってるわけじゃないんだよな」 「そもそも温度感じる感覚器官がないから」 …

水円 岳
1年前
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てぃくる 852 実証実験

「なあ、なんでこんなに大勢集まっているんだ?」 「実証実験が始まったらしいぜ」 「実証実…

水円 岳
1年前
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てぃくる 845 絶対に負けないジャンケン

「ぐー、ちょき、ぱー。どれかがどれかに負けるってことだよな」 「当たり前だろ。そうしない…

水円 岳
1年前
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てぃくる 844 赤い絵の具を絞り出せ

「赤い絵の具を絞り出せ!」 「けちくさあ。新しいのを買ってこいよ」 「残っている色が大事…

水円 岳
1年前
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てぃくる 843 葦の呟き

 人は考える葦である  葦は考える人にはなれない  葦船になった葦は、そうなれなかった葦と違いはない  足蹴にされた葦も、そうされなかった葦と違いはない  葦笛の響きは美しい  葦笛を警笛として使うなら、美しい音色はむしろ邪魔になる  葦原をそよぐ風が、頬を優しくなでる  葦原をかき分ける手は、葦の葉で切れる  葦は悪しに通ずると嫌う人がいる  人が非徒に通ずると言われたら嫌だろうが  本当のところ  葦が益体もないことをぶつくさ言うことはない  ぶつくさ言っている