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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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2024年4月の記事一覧

てぃくる 996 役に立たない誘導灯

「普通さあ、誘導灯って、飛行機の進路に沿って並ぶもんじゃないの?」 「しゃあないだろ。俺…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 995 バターを濡らしてはいけない

「バターを濡らしてはいけないんだよ」 「どうして?」 「バターがバターらしくなくなっちゃう…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 994 連れ星

小さな星は 一つだと見つけてもらえない だから たくさん寄り集まって 連れ星になる 連れ星…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 993 全然似てない

「なあ。俺、すっごく悩んでるんだ」 「なにに?」 「俺、全然似てないんだよ」 「親に?」 …

水円 岳
2か月前
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てぃくる 992 明暗

全き葉なら その下は暗い 欠けているから 光が通る 欠けた分だけ 明るくなる でも 全部…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 991 食べ方が汚い

「いやあ、確かに食われてなんぼではあるんだけどさ。もうちょっときれいに食えないのかね」 …

水円 岳
2か月前
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てぃくる 990 骨

夏の終わりに 生まれ出で 秋には 月の埃を箒き 秋の終わりに 冬毛を纏う 冬に抗う間に 痩せて 今は膝抱く 骨ばかり それでも俺は 生き切った 春まで待てず 斃れるが それでも 俺は生き切った  様々に姿を変えながら、ずっと被写体になってくれたススキの穂が、そろそろ終焉の時を迎えます。  枯れ穂の足元ではすでに新芽がスタンバイ。旺盛な成長を始めるのは初夏になってからですが、また今秋も勢いよく穂を上げてくれるでしょう。  それまで。  ゆっくりお休みください。 霜柱小鳥

てぃくる 989 キャラじゃない

「なあ。俺たち、こういうキャラじゃないはずだよな」 「そうだよ。暖か、ふわふわ、しっとり…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 988 未だ

花の便りは 聞こえてきたが 俺の花は 未だ夢の中でしか咲かない 残り少ない 去年の栄華が …

水円 岳
2か月前
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てぃくる 987 減らないなあ

「もう正月はとっくに過ぎてるよなあ」 「いつの話をしている。もうすぐ三月だぞ」 「いや、…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 986 なんだ、君は!

「いきなり出てきたらびっくりするではないか!」 「去年の秋からずっといるよ」 「気味が悪…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 985 ふとん

「ふとん、あったかいね」 「まあな。でも、ちょっと俺たちには大きすぎだ」 「ええー? 寒…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 984 なんだかなあ

「バレンタインデーにチョコもらえるやつはいいよなあ」 「俺たちなんか本命チョコどころか、…

水円 岳
2か月前
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