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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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2024年2月の記事一覧

てぃくる 970 白いのは

「白いのは雪か?」 「そんなに冷たくない」 「白いのは鳥のフンか?」 「そんなに汚れていな…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 969 散弾

「散弾銃の弾には、有害な鉛が使えなくなったんだよな」 「いや、そういうわけじゃないよ。使…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 968 もさもさ

「もさもさだな。髪切らんでいいのか?」 「切らん。そのうち全部抜けるし」  夏の猛暑のせ…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 967 出荷前

「いい色になってきたな」 「ああ」 「熟したら出荷なんだろ?」 「まあな」 「熟しているや…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 966 変わるもの、変わらぬもの

色を変えて 新たな季節を告げ 変わらぬ色で 頑なに今を守る  スラッシュマツの樹皮に取り…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 965 尻がやばい

「おい、俺の尻に何か刺さってる気がするんだが」 「痛いのか」 「いや……痛くはないが」 「…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 964 心を隠す

見せてはいけない こころがある 見せたくないのに 見せてしまう 見たくはないのに 見えてしまう それでも見えない こころがある  オガタマノキの果実。果皮が割れて朱色の仮種皮に包まれた種子が見えています。果実の中においしい種子があるのは、果皮が割れるまでわかりません。  何かが割れ砕けるまでこころがわからないってのは寂しいことだと思うんですが、自分のこころすら殻を割らないとわからない偉いさんが増えているのは、本当に嘆かわしいことです。 剥き出しの心を冷やし冬始む

てぃくる 963 バトントワリング

「バトン回しはうまくなったんだけどさ。ちっとも美しく見えないのはなぜ?」 「音楽もないし…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 962 男の子優先

「レディーファーストじゃないの?」 「いや、男の子優先なんだ」 「なんか……納得できない…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 961 腹蔵なく

腹蔵なく話せと言われたからそうしたんだが。 腹蔵どころか、はらわた全部持っていかれた。 …

水円 岳
4か月前
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てぃくる 960 変わり果てる

「ずっとそのままなんてのはおかしいんだよ。必ず変わり果てる」 「そうだな」 「俺はまだ色…

水円 岳
4か月前
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てぃくる 959 ごちゃごちゃ

 少しは整理整頓しなさいと言われるが、世の中はごちゃごちゃしているものなんだ。なんでも整…

水円 岳
4か月前
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