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某薬剤師59歳男性(実兄)の予後を考えて

はじめに

 先日(かかって来ても基本無視で留守録設定もしていない)置き物と化している家電話が鳴った。
何故か気になって出たら、ほぼ30年振りに声を聞く兄嫁さんだった。
実家とはサイレンス縁切りをしており、母や兄には住所や連絡先を教えていなかったが、戸籍ロックまではしていなかった。
過去に色々と父方祖父の相続問題で、弁護士経由で書類送達もあったので、現在の家電話の番号はバレているのは知っていた。
母や兄ではなく兄嫁からの電話ってなんなんだろうと、寝ぼけた頭と声で「はいはい」と生返事をした。
兄嫁の話を聞いて頭痛が痛いわ胃が痛いわで、結果電話線を引っこ抜いた話を書かせて頂いていいだろうか。

ちなみに兄嫁はとてもいい人で、これだけ不義理を働く義妹にも誠実な対応をしてくれる聖女であります。

「家族はみんな愛情で繋がっているのよ!」っておとぎ話を信じてらっさる方にはお勧めできない記事ですので、そこのところご了承ください。

1:概要

兄嫁氏が何を思って電話をして来たかと言うと、実兄の50歳頃から最近の状態報告だった。
その内容が酷すぎて宇宙猫になってしまった。
実兄も兄嫁も薬剤師で、医療関連の知識はある。ただ兄嫁はここ30年専業主婦だそうだ。


・実兄が50歳頃よりよく転倒するようになった。
・いつぞや飲み会の後転倒で橈骨骨折をやらかしてしまい、何度も外で飲まないようにとお願いしたら、家飲みをするようになった。
・焼酎(Alc.25%)を自宅で飲み、さらにタバコも吸いまくる。
・ちなみに喫煙開始年齢中学生。
・先月(2024年7月)職場で残業していたら、トイレで牛乳瓶5本分くらいの下血をした。
・自分で救急車を要請して搬送されたが、入院拒否して帰宅した。
・その後激痩せして見た目75歳以上の老け具合となった。
・腹水で腹だけ異様に出ている。
・両足背のむくみが強く、靴が履けずにサンダルを履いている。
・健康診断は受けていないと言う。過去データが無くて比較できない。
・本人は「低タンパクだからホルモンとか肉を焼いてくれ」と(アホ)。
・濃い味大好き。何でも醤油をかける。
・夜中に何度もトイレに行っている。
・救急車を呼んだ時も同僚が一人いたが、口止めしてあるので職場にはバレていない。
・今も仕事へ行っている(お得意先回りや配達などあり)。
・「自分で調合している漢方薬を飲んでいるから大丈夫」と言って、病院で検査をしてくれない。
・娘と一緒に説得しても怒るだけで堂々巡り。

こんなことがここ1ヶ月で起こり、心配で不安で私に電話をかけて来たようだ。
ちなみに私の家電番号は実兄のスマホをナイショで見たらしい。
たまたまうちに電話をかけた時に、奇跡的に私が電話に出たというタイミングで、1時間以上話を聞いた。

2:聞いただけでもう予後は悪いと思った

上記の話を聞いた時点で思ったのは、

・がんの末期で転移もしている可能性大。
・大腸がんかもしれない。
・肝硬変か肝がんもあるだろう。
・腎機能がかなりやばくて、透析必要レベル手前だと思う。
・トイレに何回も行っているらしいけど、おそらく排尿できていない。
・貧血も相当やばそう。
・呼吸機能もやばそう。
・血圧や血糖値も長年放置していると思う。
・ぶっちゃけ年内には亡くなるだろうと思う。

何の仕事しているかちょっと聞いたけど、今はもう役員の地位にあって収入は良いらしい。
そんな会社で健康診断が無いわけなかろう。
ずっと検査結果悪いのを黙って放置していたに違いない。
「漢方を飲むから大丈夫」
って、現実逃避にも程がある。
「黄疸が出ていないから肝硬変じゃない!」
って言っているらしい。でももう酒が受け付けない体だそうだ(察し)。
でもタバコは吸いまくる。アホか馬鹿かと。

3:冷静で冷酷なアドバイス

私は実兄が死んでもなんとも思わない。だからこの話を聞いても、義姉と二人の娘息子(息子はまだ大学生)の心配しか無かった。

・実兄は変わらない。説得しても無駄だから好きにさせるしかない。きっと多臓器不全で急激に悪化〜急変するのではないか?
・おそらく貧血や腎不全で近々動けなくなるか、ドカンと大出血起こして救急搬送〜死亡確認になると思う。
・その際、「延命治療は望まない」イチオシでいいと思う。自然のままでよし。
・今のうちに義姉の身内(兄弟)に説明し、何かあったら頼れる状態にしておいて。
・できれば実兄の遺書を書いといて欲しいんだけど無理だろうなあ。
・お金のことは今のうちに把握しておいて。預金とか色々。
・娘息子への説明と、実兄が死んだ後の自分の生活シミュレーション考えておいて。
・とにかく義姉の将来の生活と幸せ優先に考えて行動して。

職場には知られていないとか、そんなわけあるか(呆)と思う。
そこまで激痩せしいておいて気づかれないわけがない。
「同僚に口止め」なんてできる訳ない。とっくに上層部に話は通ってる。
仕事先に顔出してるなら、そっちからも心配の電話が入るはず。
車で移動しているなら、途中で人身事故なんか起こされたらかなわないだろうし、おそらく本人にも事情を聞いていると思う。
それを「大丈夫」で突っぱねて、聞く耳持たないために職場でも困っていると予想。
実兄の性格上、休職なんかせんわな。
最悪の事態に陥ってそのままこの世を去るだろうけど、残された家族にどんな迷惑が及ぶかなんて、全然考えていないのがあいつらしいわ。

「今のうちに離婚して見放すのもありだと思う」
とも、超現実的な問題として提案しておいた。
それでもいいよと、実の妹の立場で言っておいた。気にしないで自分の幸せ考えてくれと。
出来そうにない優しい義姉なので、それが心配だわ。

4:その夜鬼電がかかってきた

一番歳も遺伝子も近い存在が、そこまで体を壊して死に至る病を抱えていると思うと、我が身を振り返ってしまう。
そんな感傷に浸る暇も無く、その夜また家電が鳴った。
留守録設定解除してあるので、出ないで様子を見ると一度切れた。
ここで、
「もしかしたら兄嫁からの緊急連絡かも?」
と思ったが、
その後しつこくコールを鳴らして来たので、
「あ。これ兄貴からだ」
と、悟った。
きっと、兄嫁が私と話をしたと告げ、私からの分析とアドバイス内容を聞いたんだと思う。
そのクレームだ。ムカついて頭に血が登って電話かけて来たんだと思う。
そこで私は電話線を抜いた。
言いたいことは億千万あれど、余命いくばくもない老人に鞭打つ言葉も言いたくない。

ちなみに入院や検査を避ける理由は想像がつく。

・検査が怖い
・結果が怖い
・「だから言ったでしょう」的な自分の間違いを指摘される言葉を聞きたくない
・素直に人の意見を受け入れたくない
・禁煙をしたくない
・禁煙を言われたくない
・禁煙しなければならない事実を知りたくない
・禁煙が怖い

この辺りを指摘してやりたい気持ちは多少あれど、そこは武士の情けだ。

5:実兄という人間

実の兄の予後不良と聞いて、ここまで冷静というか冷たい態度をよく思わない方もいらっしゃると思う。
そういう家族だったのです、そう言う兄妹の歴史なのです、とご理解いただきたい。

兄嫁の一時間に渡る話を聞き、とにかく強く感じたのは「三つ子の魂百まで」だった。
私が知っている実兄の、十代の頃と全然変わっていないという感想からだ。
絶対に自分のやり方を変えず、人の意見を聞かず、己を顧みないし反省もしない。
自分が間違っていると思いたくないので、自分を否定しない人間だけを周りに置く(例:嫁)。
つまりモラハラで精神的DV気質だな。
裏を返せば自分に自信が無いわがままなだけだ(人のことは言えない)。
絶対友達いないわ(人のことは言えない×2回目)。

本当に正直な話、実兄がこのまま治療を拒否し続けたら年内保つかどうかと思う。
腎不全やらかしてたら一気に悪くなるしね。
もしもだけど、中途半端に泣き言言って手のひら返し、「助けて!治して!」になったら更なる地獄だと思う。

私が考えたことは、
「兄のようにはなるまい」
だった。

6:兄との相違

私としては、一番年齢も近くて血の繋がりがあって遺伝子も近い人間が、死の淵に立っている事実を考えていた。
「メメント・モリ(死を思え)」
まさにこの境地だった。

私と兄との相違は、
・性別が違い、年齢が3つ離れている。
・ともにアレルギー体質で、皮膚と呼吸器が弱い。
・兄は喫煙し、私はしない。
・兄は酒が弱く(すぐ真っ赤になる)、私は普通程度(ほぼ赤くならない)。

自分を棚上げして兄を顧みると、『自分を絶対変えない』ところかと思う。
この悪癖は私もあるのは自覚していて、常に『データ集め、分析、考察、フィードバック』をするようにしている。
家計簿などがいい例だと思う。
どうやら兄にはそれ無いらしい。
実際兄嫁の話を聞くと、マネーリテラシーが低くて先見の明も無くて、兄嫁が未亡人後の経済的な問題を考えている感じがない。
ぶっちゃけ感謝の念が無く、兄嫁は『ありがとう』と言われたことが無いらしい。

7:私の考察〜結論

「日々を振り返り反省し、毎日を感謝の念を持って生きよう」
これに尽きる。

兄が兄嫁や娘の言葉を真摯に受け止め、諫言に感謝をして己を振り返っていれば、60歳未満で死の淵に追い詰められることはなかっただろうに。
結婚して良き嫁をもらい、一女一男を儲け年収も勝ち組だというのに、どうしてこうなった。
兄嫁に相当わがままを言い束縛し、自分勝手に振る舞い感謝の言葉ひとつない。
夫として人のこの親として人間としてどうよ?
この兄の現状から、『日々感謝をして生きる』意味がわかった気がする。
上手な言語化はできないけれど。

「年末で辞める!」
とカウントダウンし始めたこの日記であるけれど、そのカウントダウンタイマーも動き続けているけれど、決して後悔しないようにしたいと思った。


おまけ

私が今生きているのは、「たまたま偶然喫煙する生活を選ばなかっただけだから」、とはっきりわかった。
これは絶対確かに言える。
想像するだけで身震いする己の姿は、『健康への不安を抱えて住む場所も困り、そのひぐらしの空腹貧困ホームレス』だ。
恐ろしいほどにリアルに想像してしまい、貯金しまくっていたし住処も買った。
上記の恐怖する姿は、喫煙していたら確実に歩んでいた未来の私、だったんだ。

もし喫煙していたら兄よりずっと早くに体を壊し、貯金全部を治療費に充てて仕事もできずにいたと思う。
身体中ボロボロになって貯金も尽き、ホームレスになっていただろう。

不規則三交代夜勤あり生活を36年続けていても、ある程度酒を飲んでいても、それでも喫煙しなかったのが運命の分かれ目だったんだ。
私を守護してくれる何かの声が届いたのかもしれない。
そう考えなければ私の生まれて生活してきた環境で、喫煙者でない人生を送る方が難しかったからだ。
それくらい喫煙はカッコよくて吸って何が悪い!って社会の中で育ったからだ。
運命と神様に感謝します。

9月を前にかなり涼しくなって来たので、運動不足を取り戻すぞ!
健康な老後を送るぞ!!

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