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摘花如歌無選集《はなつまみてうたうごとくたれながし》2

     二、

 うそぶくに飽き足らず、さらなる法螺ほらの生ずるを待つも日は待たず。
 心中茫漠たるままいささか開き直りて詠む。

2018/12/20 01:17

  君の事はもう忘れたのだ
  僕はただ
  雪降る音を聞いていたのだ

 虚無へと詩想は転向。

 2018/12/22 21:54

  ふゆ至りて
  風にしおれし病葉わくらば
  胸かき抱き昇天を待つ

 さらには一旦同族のくびきを離れ、さる上流階級に属する種族の境地に遊びたり。

 2018/12/23 23:40

  労働は人間どもに
  我々には貴族ねこの嗜み
  狩と色恋

 されど日常は凶暴なり。容赦無きこと完璧なり。

 2018/12/24 21:09

  カニクリームコロッケ食べたいとのご所望ぞ
  月も照覧往けよ軽トラ

 2018/12/26 01:08

  もはや母は歩めぬ事を父に告げ
  旧家の土間の面寒々し

 2018/12/28 22:23

  夜更ければ
  肩に降り積む雪に似た
  苦い記憶の音聴いている

 「記憶」の語の針を突かれたか、深更、胸郭の見えざる膜を破り、思い寄らぬ歌の出で来たりぬ。

 2018/12/29 01:05

  本当の気持ちはいつも
  出せなかった手紙の方に書いてあるよね

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