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安部公房『猛獣の心に計算器の手を』読了。

昭和32年発行の安部公房の評論集。著者が言葉、肉体、思想について語っている。つまりは安部公房の頭の中を覗き見る絶好のチャンスであると思い、高額にも拘らず買ってしまった。しかし読んでみると、前にどこかで読んでいることに気づいた。がっかりしたと言いたいところだが、後から初版本であることがわかり、それならば安部公房ファンとして13,200円は高くない買い物だと今では思っている。

ただ読み終わってみると、安部公房の頭の中を理解するのは無理だという、もしかしたら最初からわかっていた結論に到達してしまった。天才のことは凡人にはわからないと言ってしまえばそれまでだが、そこから安部公房理解のヒントをひとつくらい見つけたいものだ。この本を何度も再読することも必要だが、安部公房作品の再読も必要になろう。まだまだ先は長い。

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