見出し画像

短歌 エッセイ    空が泣いている


      澄み渡る 青き空から ひとひらの

        不香の花が 涙に見える

     すみわたる あおきそらから ひとひらの

      ふきょうのはなが なみだにみえる


※ 終雪   →   春を迎えてから、その冬の最後に降る雪のこと
※不香の花 →    雪を香りのない花に例えていう大和言葉です


空は 真っ青なにの 雪が ひとひら ひとひら 舞い降りる

私の 髪に 肩に 手のひらに 舞い降りる 雪

まるで 空の 涙の ようだ

空も 哀しいこと あるの?

見上げる 空を

私の涙は はらはら 流れる  

雪は ひとひら ひとひら 舞い降りる

春の終わりに 逝った 親友

その日は 終雪が ひとひら 舞い降りた

父が 逝った日も

母が逝った日も

不香の花が 舞い降りた

雪は 美しい

だけど

哀しみも ともなう

一面の雪は 空の 涙かも

涙雪

誰かの代わりに 泣いてる 空


それが 凍ると つららに なるよ


私の代わりに 泣いてる 空


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?