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名画『モナ・リザ』に“神の子羊”と“天使の翼”を見た経緯と考察 #13

#13  突然現れた天使の翼
 午後4時近くになって、西側の窓からの日差しが強くなり始めた頃、私は、部屋の片隅に長い間放置していた額縁(コーナン商事株式会社製「賞状額縁A3(大)」賞状額 金ラック A3 KO14-7613)を手元に持ってきました。
 
 その額縁は少なくとも5,6年、壁に立てたまま放置していたもので、埃をかぶっていました。
 
 プリントアウトした2枚の『モナ・リザ』を、図5のように並べて、裏面をセロテープでくっつけました。『モナ・リザ』のモデルの謎を解くカギとなった“謎の物体”を手元に残しておきたくなったのです。
 
 作業をしながら、私は考えていました。
 
 人は愛を循環させることができる。もしかしたらそれは、今この地球に住んでいる動物たちとも愛を共有できるってことなのかもと。なぜなら、生き物を大切に思う心は誰にでもあると思います。そしてその考えは、『モナ・リザ』とすごく親和性があるかもしれません。ネットで調べたところ、この絵にはいろんな動物が描かれているといっている人もいるようです。
 
 この惑星に生きているのは、私たち人類だけじゃありません。数えきれないほどの多くの種類の生物がこの惑星には存在しています。レオナルドはもしかしたら、私たち人類が、人類以外の動物とも愛を共有し合える生き物なのだということをこの絵を通じて伝えたかったのかもしれません。
 
 中田敦彦さんのユーチューブ大学で紹介されていた人類史に関する本(ユヴァル・ノア・ハラリ サピエンス全史(上)(中)(下)文明の構造と人類の幸福)のことが私の頭の中に浮かびました。その本によると、私たちホモ・サピエンスは、“認知能力”という特殊な能力を獲得したおかげで、妄想やフィクションを共有することができるようになり、これによって他の人類、例えばネアンデルタール人などを滅ぼして制圧することができたというのです。
 
 “愛”には可視的な実体がなく、一種の妄想やフィクションととらえる見方もできるかもしれません。だけど私は、“愛”を、単なる妄想やフィクションと同じものとは思いません。ホモ・サピエンスが他の人類を制圧したという解釈も、私の場合は少し違います。
 
 この地上にはかつて、ホモ・サピエンスを含む多くの種類の人類がいました。しかし、最終的に生き残ったのはホモ・サピエンスだけでした。それは一体なぜなのか? 共存する方法だってあったかもしれないのに。
 
 つまり、地球(ガイア)がその存在を認めるかどうかは別の問題なのではないでしょうか。
 
 そして、そんな地球(ガイア)が認めたのは、ホモ・サピエンスの形態や能力ではなく、その本質なのだとしたら。愛を生み出し、共有することによって、互いに愛し合い、助け合うことができるというホモ・サピエンスの本質を容認してくれているのだとしたら。
 
 私たちは、この地球(ガイア)によって生かされている、そういう存在だということだと思います。だからもし、その本質を忘れてしまったような生き方をしていれば、他の人類と同じように、いずれこの惑星での居場所を失い、別の新たな存在に取って代わられてしまうかもしれない……と。
 
 そんな大それたことを考えているとき、額縁の中に収めた“二人のモナ・リザ”をふと見て、何か妙なものが浮き上がっているように見えたのです。
 
 額面をよく見ると、二人のモナ・リザの間に、“羽根”のような輪郭をしたものがみえました(図52参照)。

 なんだろう? ともすると昆虫の翅のようにも見えるそれは、右側のモナ・リザの右肩から生えているようでした。それは、玉虫色というか、ちょっと虹色がかっているように見えました。
 
虹色・・・もしかして、そうか、これは“天使の翼”だ。そう直感しました。
 
 私は、さっき紹介した中田敦彦さんのYouTube大学のレオナルド・ダ・ヴィンチに関する動画をみて、レオナルドが生きていた時代は、天使の翼を虹色に描くのが通例だったことを知っていたのです(図53参照)。

 その翼は、『モナ・リザ』の右肩から生えていたため、イエス・キリストに関連するものだと思いました。そこで、ネットで調べてみると、イエス・キリストは大天使聖ミカエルと同一視される場合もあることが分かりました。地上にいるときの名前が“イエス・キリスト”で、天上にいるときの名前が“ミカエル”というのだそうです。
 
 私は急いでノートパソコンを操作して、ダウンロードしていた『モナ・リザ』を画面に映し出し、“謎の物体”の部分を拡大してみました。すると、“謎の物体”には、“ミカエル(Michael)”の名前を示すと思えるものが描かれていたのです。
 
 実は私には気になっていたことがありました。この“謎の物体”には、薄く黒っぽい模様が妙に膨らんでいるところがあり、その中にアルファベットの『C』の文字に見える部分があるのです。そして、こう思ったのです。おそらくこの“謎の物体”は、リザだけじゃなく、ミカエルのことも示していると。つまり、『MICHAEL』の『M』と『C』です(図54、図55参照)。


 “謎の物体”は、“ミカエルの翼”の一部だったです。さらによくみると、この“謎の物体”は、聖母マリアの“橋”、サルバトール・ムンディの“曲がりくねった道”、そしてモナ・リザの左肩に掛かった“ショール”と一体となって翼を形成していました。
 
 これまでなにげなく通り過ぎていた疑問がありました。そもそもなぜ、イエス・キリスト(Jesus Christus)ではなく、サルバトール・ムンディ(Salvator Mundi)なのか、そしてそのイニシャルである『S』を“鏡文字”にする必要があったのか。しかし、そのときやっと分かったのです。すべては、この“ミカエルの翼”に帰結していたのです(図56参照)。

 それは、幻想的な美しさともいうべきものを秘めた翼でした。翼の先端側の方には、小動物か何かの輪郭が小さく描かれていました(図57参照)。

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