【詩】風塵 あるいは花の事(二次創作詩)
望んだだろうか 美しくあれと
願っただろうか 咲き続けよと
お前の手のひらが温かくあるようにと
祈ったのだろうか
俺は いつか
いいや、いいや、そのような言葉など
とうに失われていたはずで
ただ風が冷たすぎて
凍えないかと思ったのだ
ただそれだけの事なのだ
うつろな季節ほど美しいのは
終わることを約束されているからだろう
花びらの内に何が隠されていても
巡る時の内にすべては
朽ち果てて流れてゆく
風よ、風よ、今だけは
今だけは
優しく吹いてやれ
散り急がぬように
花が 花で在れるように
今、だけは
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