アスタロト公爵#14 ルキフェル第五軍団中将マルコシアス
※この物語は 「阿修羅王」本編より 悪魔の三大実力者のひとり、アスタロト公爵の作品を抜粋しています。特定の宗教とは 何の関係も無いフィクションです。
ルシファーは自ら腰を落とし、アスタロトに顔を近づけた。
「リジュを、正式に娶るつもりはあるのか?」
「・・・いえ、考えた事もありません」
「妻にする気はないと?」
「はい」
「間違いないな?」
「はい??」
ルシファーは再び立ち上がると、腕を組んだままアスタロトを見おろした。
「では、わたしの娘はどうだ?」
「はあ?!」
「サーティはどうだ、と聞いている。」
「どう、と言われましても、まともに話したこともありませんし。」
「今日、初めて話したであろう」
ルシファーは目を伏せるとささやくような声で、小さくつぶやいた。
「リオールの秘密を知っているのだな」
アスタロトの顔から血の気が引いた。
「リオールもトンニャンも、何も言ってはいない。サーティからの報告でわかっていた。
おまえ、この秘密を知って、ただですむとは思っていまいな」
アスタロトは身体中から脂汗を流し、金縛りにあったように動けないでいる。
「あれが・・・サーティが、おまえが良いと言うのだ。
しかも、今まで通り、アスタロトは自分の城でリジュと暮らし、好きな時に他の女と遊んでもかまわない、と言う。悪い条件ではないと思うが」
「わたしの城の西に、サーティのために新しく城を築く。
おまえは時々、そこに通ってくれば良い。」
「ルシファー様!」
アスタロトは、やっと声を上げた。
「あれもリリスの子ではない。おまえと同じ、堕天使だ」
*****
アスタロトは自分の部屋のソファーで肩で息をしていた。リジュが汗で濡れた髪にタオルをあてると、それを奪い取るようにして顔の汗を拭った。
「本気なのか?サーティ。」
サーティは何杯目かのローズティーを飲んでいる。
「本気よ」
さらりと口につく。
「どういうつもりだ?」
「そのままの意味」
「リジュの事もそのままでいいなんて、何を考えている?」
「サルガタナスとの掛けの代償はなんだっけ?」
「・・・もし俺がサーティをものにできたら、サルガタナスは生涯俺に忠誠を誓う。もし俺が失敗したら、その逆だ。」
「バッカじゃない。失敗したら、マルコシアスの命は無いわ。あなた、私がこんなに寛大で命拾いしたわね。」
「おい、サーティ!わたしの質問に答えろ!」
サーティはアスタロトを無視して、話を続ける。
「マルコシアスはルキフェル第五軍団司令官のまま、私に忠誠を誓ったわ。そうよね、マルコシアス?」
「あぁ、その通りだ。」
ありがとうございましたm(__)m
アスタロト公爵#14 ルキフェル第五軍団中将マルコシアス
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