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ある独白#11

その日からリュージ耀子の使用人として

家の中の一切の仕事をすることになった。

リュージは太陽エネルギーで動く上、その太陽光がわずかでも

何日も活動が可能なので、雨や雪の日が続いても

動かなくなることは なかった。

毎日リュージは主夫のように耀子の世話をした。

人間ではないので、忠実で裏切ることもなく 不平をいうこともなく

ただ耀子のためだけに働いた。

最初は戸惑いがあった耀子だったが、一度リュージの便利さに

味をしめると手放せなくなった。

それにロボットだから男ではないが、女のロボットと暮らすより

何か楽しみや安堵感があるように感じた。

いつかリュージは、耀子にとって なくてはならない

ロボットとなっていった。

耀子は父としての葛城博士を認めてはいなかったが、

同じ研究者である葛城博士の功績は認めていた。

そして、研究者としての興味から、十四年ぶりに父に電話した。

志を同じくする研究者としての質問がほとんどで

親子らしい言葉は、お互い一度も発せられることが なかった。

リュージ、今日パパに電話したわ。」

その日帰るとすぐ、耀子は開口一番こう言った。

「あなたって、すべて人間と同じ機能を持ってるんだってね。

生殖行為もできるって。

できないことは実際には子供が作れないこと。

避妊の心配がないから、女型なら最高の

ダッチワイフね」

リュージは家事をこなしながら 黙って聞いていた。

「それにしても、自分の娘に こんな話までして。

十四年ぶりで話したっていうのに、『元気か?』の一言も

ないんだから・・・。・・・私も言わなかったけど・・・」

耀子はぼやきともつかぬ口調で言ったあと、ちらりとリュージを見た。

リュージはいつものように家事をしているだけで

特に何の反応もなかった。

ありがとうございました(; ・`д・´)

ある独白#11我が永遠の鉄腕アトムに捧ぐ


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12へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n7710ee638ffe

#1最初からは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nb5ab031cb177


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