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ある独白#2

私は玄関をあけ、

声をかけた。

返事はない。

そろそろと暗い広間を歩き

階段を見つけると

おそるおそる上がっていった。

声をかけながら

ひとつ ひとつ 部屋を開ける。

研究所らしき部屋、書斎、ベッドルーム・・・

家主はらしい姿は見えない。

いくつ目かのドアを叩いた時だった。

「どなたですか。

ここは もう人の来るところでは

ありません」

老人のしゃがれた声が聞こえた。

そこは おそらく

夫婦のくつろぐ部屋だったのでは

あるまいか。

ゆったりしたソファーに テーブルやカウンターが

ぼんやりと暗闇に慣れた眼に

見えて来た。

その一人掛けのソファーに

彼はすわっていた。

今にも朽ち果てていく老齢の木のように

まさに 老人だった。

「あの・・・私、こういう者です」

私は名刺をさしだしてから

はっとした。

この暗さでは見えないのではないか。

しかし そんな危惧は

必要なかった。

彼の眼には まだ光が宿り

サーチライトのように名刺を見た。

ありがとうございました(゜_゜)

ある独白#2我が永遠の鉄腕アトムに捧ぐ


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かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

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#3へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n90adf9786405

#1初めからは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nb5ab031cb177

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