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カオル #15

「なんだよ、お兄さんて。」

「晃二が言ってたの。

カオルさんは親戚だから、お兄さんみたいなものだって。

だからカオルさん、私みたいな不良娘と、

晃二がどんな付き合いしてるのか 気になるんでしょう?」

お兄さん・・・か。

あぁ、というようにカオルは うなずいた。

柚季は口をとがらせて、プイと横を向いた。

「なあんだ、やっぱりそうか。

私と晃二のこと、ちょっぴり ヤキモチ焼いてくれたら・・・

なんて 期待しちゃった。」

柚季は カオルに向き直った。

「大丈夫、変な付き合いはしてません。

私、学校さぼったり、家に帰らなかったりしてるけど、

ほんとに男遊びはしてないよ。」

柚季はまじめな顔をして話し始めた。

「晃二とはあれから学校で よく話すようになったよ。

でも、いい友達。

晃二は お母さんいないし 私は母親離婚して

最近結婚したりして・・・。」

柚季はいったん 口をつぐんだ。

「・・・違うけど、ちょっと環境似てるから。

話してて すごくわかってくれるんだ。

こうゆうのって、親がそろってる子には わかんないじゃない。

どんなに 仲の良い子だって、

自分の立場にならないと、なかなかね。」

「じゃあ、けっこう話、してるんだ?」

カオルが再び聞いた。

柚季はまた 首をかしげた。

「そう言われるとそうかな。

私、学校さぼってばかりだから あんまり友達いないんだ。

話 する方かな。うん、仲いいかもしんない。」

仲いいかも・・・と 柚季に言われて、

カオルは複雑な思いにとらわれた。

今まで晃二の友達、まして女友達など

気にしたことは なかった。

でも 考えてみれば晃二は高校生だ。

一歩 外に出れば 友達もたくさんいるし、

女友達がいても不思議ではない。

この柚季にしろ、いやほかにもたくさんいて、

もしかして特別な人がいたとしても、

カオルに何ができるだろうか。

ありがとうございました(;´・ω・)

カオル#16へ続く

カオル #15

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カオル#16こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n4548bb221cba

カオル#1最初から
https://note.com/mizukiasuka/n/nb8d33d9d576f

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