Love's night #2
「や・・・やぁ・・・。」
気の抜けたような勢(せい)の挨拶。
更冴(さらさ)は ぴょんぴょんジャンプしながら、門扉をカチャカチャ鳴らした。
タカネはエプロン姿に身を包み、サンダル履きで玄関を出てくると、
小さな門扉を開いた。
「こんにちは!」
更冴は大きな声を上げると、タカネに飛びついた。
勢は あわてて更冴を引き離し、自分で抱き上げた。
「ごめん。保育園のつもりしちゃって・・・」
タカネは軽く首を振ると、玄関を開いて中に招き入れようとした。
しかし、勢の足は重く、玄関先で更冴を抱いたまま、ためらっている。
「どうしたの?」
タカネは不思議そうに勢を見たが、抱かれながら家に入りたくて、
手足をバタバタしている更冴の方に話しかけた。
「今日ね、先生のパパもいるのよ。更冴ちゃんには おじいちゃんかな。
でも、おじいちゃん、なんて呼ばれると怒るかもしれないから、
おじちゃんにしといてね」
「せんせーのパパ 怖いの?」
「うぅん、更冴ちゃんのパパと同じでやさしいよ」
タカネがそう言った時、年配の男が家の中から顔を出した。
更冴は その姿を認めると、抱かれている勢から無理やり飛び降りて、
男のもとに 駆け寄った。
「おじちゃん!」
男は更冴を抱き上げると、靴を脱がせて 急ぐように部屋の中に入っていった。
ありがとうございましたm(__)m
Love's night #2
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#3へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n24e81785662f
#1最初から
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