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トンニャン#7 悪魔皇太子リオール(クビドと対の天使)

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「リオールの巻」のような意味。話の位置は、アスタロト公爵の#10の直後のお話です。また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「でも、いいよな。今が一番いい時だよな、あの二人」
アシュラはまだ、アスタロトとフェアリーの事を言っている。
「まあな」
「なんだ、リオール。コーラとうまくいってないのか?」
「いや、特に変わりも無い毎日だ」
「それは人間の言葉で平凡といい、一番幸せな言葉らしいぞ。
それから、倦怠期というのもあったかな」
アシュラから次々出る俗世の言葉に、リオールは笑い、トンニャンも微笑みながら話しかけた。

「アシュラ、本当に人間の女みたいだぞ」
「アシュラはよっぽど、誰かさんに惚れこんでるんじゃないのか?」
リオールに言われて、アシュラは少し両の頬をふくらました。
「誰かって誰だよ?」
リオールはふくれたアシュラと、すました顔のトンニャンの顔を見た。
「おまえ達ってパートナーなんだよな?」
「そうだけど」
アシュラとトンニャンが同時に答えた。

「あのさ、俺の場合、心の中にはコーラしかいない」
「のろけ話はごめんだぞ」
「いや、トンニャン。のろけているわけじゃなくて、本音だ。
だけど、おまえ達はパートナーだよな?だったら、一番大切なのはお互いだよな?」
リオールがそう言った時、どうしてか、リオールはアシュラとトンニャンの心の奥底が垣間見えた。

「見えたのか?」
トンニャンがリオールの瞳を捕らえた。
「トンニャンが見せたのか?」
トンニャンは首を横に振った。

「いいや、おそらくおまえの中にある天使の力の一部が目覚め始めているんだろう。
もちろん、天使だからといって、皆が皆、心が見えるわけじゃない。
それが、おまえの能力の一つだからだ。
ミカエルと会って真実を知った事、フェアリーに捕らえられ、アスタロトを通じてフェアリーからの天使の波動を流し込まれた事、おそらくそれが影響しているな」
「どうしたら、いいんだ?」
「とにかくそれも相談しよう。
ルシファーはこんなに早く、おまえが目覚めるとは計算してなかったはずだ」

「ところで・・・見えたものなんだが・・・。」
「どうした?言ってもいいぞ」
「リオール、遠慮せず言ってみろ。
本当に見えたのか、確かめる事にもなる。
俺とトンニャンなら、何を言われても大丈夫だぞ。心配するな」

リオールはためらっていたが、何度かアシュラとトンニャンに促されて、仕方なく話し始めた。

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン#7 悪魔皇太子リオール(クビドと対の天使)


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#8へ続く
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