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地球が滅びる前に #3

地球最後の日
 「クリムラ。一般の隊員の中で、大半が処罰されたって?」

 「あぁ、黙ってられなくて話した者はもちろん、国外逃亡を企てた者
ロケットを盗もうとした者、パニックを起こしてネット拡散しようとした者・・・。
あぶりだされた、隊員にふさわしくない者がごまんと捕まった」

 「初めから国民からランダムに選んだりするからだよ。
国外逃亡を企てた者、なんて、どうするつもりだったんだ?」

 「日本以外なら、ロケットで逃げられる、と思ったんじゃないか」

「それにしても、この日本でロケットを盗もうとしても、
有人ロケットが無いんだから無駄なのに、
そんな子供でも知ってることも知らないのが隊員なんて、
整理されても仕方ないな」

 「だけど、地球滅亡を黙って享受し、KAGYOのコンサートプレゼントで黙らせる方が、甘かったんじゃないの」

 「それでも黙っていた者はいた
享受した者はいた
それこそが、その潔さこそが、隊員の最大条件だな」

 「でも、ほんとうのことを知ったら、みんな怒るだろうな」

 「そりゃあな。
でも、小者のあぶりだしには成功したし、めでたくKAGYOも解散した」

 「そっちが、目的で作戦に賛成したんじゃないのか、カサイ

 「せっかく、上級隊員に昇格したんだ。
ほんとうにやりたいことに、命をかけたいさ」

 「そうだな。KAGYOと両立じゃ、いつまでたっても連絡係だ」

 「これからは、本気で地球防衛軍の隊員として働ける」

 「その前に、地球最後の日は、本部の人員整理の作戦だって、知らせなきゃ」

 「うん、最後の連絡係だ」

 「じゃあ、俺は東へ」

 「俺は西に」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おわり

地球が滅びる前に #3

私は子供の頃から鮮明に物語を、夢で見ることがある。短編集「白龍抄」のなかの「雨夜幻想譚」というSFも、鮮明に見た夢の一つ。最初から最後まで物語として完結している夢だ。
この「地球が滅びる前に」は、某アイドルグループが解散した翌年、2017年に夢で見た。カサイとクリムラは、まさにそのメンバーが出て来たのだが、(夢ではあるが、作品の場合は、モデル、とでもいおうか)そのカサイとクリムラのモデルは、長い時を経て、今はやっと地上波で活躍している。


地球が滅びる前に #1初めから  こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n4d4c571d235c

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