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ある独白#21

さらに十年の時が過ぎRP7型ロボット地上から消えた

竜次をのぞいては

耀子の元に父危篤の知らせが入った。

耀子竜次と二人、三十八年ぶりで我が家を訪れた。

耀子五十を越えていた。

そして十二の時家を出て以来の父との再会だった。

葛城博士は自分の研究室で、医師と看護師に付き添われ

眠っていた。

耀子が来たのに気づくと、医師はすぐに近づいてきた。

葛城耀子さんですね?」

耀子はうなずいた。

「どうしても入院を拒否されて、この研究室にベッドを

運んだのです。

死ぬ前に完成させたいものがあると言って、きかなかったのです。

時々診療には来ていたのですが、耀子さんには

最後の時しか知らせないように言われて・・・。

こんなになるまで、申し訳ありません」

耀子は首を振った。

「それで父は?」

「はい、今晩が山かと・・・。

何か完成したものを竜次さんに見せたいと・・・」

耀子竜次を振り返った。

竜次は年をとらないので、二十代の青年のままだった。

そのため医師は竜次とは思わなかったようだ。

耀子がベッドに寄り添うように近づき、声をかけた。

「パパ、私。耀子よ」

葛城博士はうっすらと目を開けた。

そして五十になった娘と、その後ろに付き添っている

竜次に目をむけた。

「先生、耀子と話がしたいのです。

席をはずしてもらえませんか」

医師はうなずくと、看護師とともに出ていった。

二人がいなくなると、葛城博士竜次に声をかけた。

竜次、おまえに頼まれたものが完成した。

おまえなら見ただけで、使い方がわかるだろう」

竜次は黙って研究室の中にあるドーム型のマシンに向き合った。

「パパ、竜次に頼まれたものって何?あれは何のマシンなの?」

葛城博士は弱弱しく首を振った。

「今にわかる。それより耀子、おまえに

話しておかなければならないことがある」

それは耀子が長年知りたがっていた、竜次の出生の秘密だった。

ありがとうございました(゚д゚)!

ある独白#21我が永遠の鉄腕アトムに捧ぐ


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#22へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n8300ec27e5a2

#1最初からは、こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nb5ab031cb177


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