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エンドレスヒール#46 -3.11

2010年7月末

朝5時に車で家を出た。
今日は、2級ヘルパーを取得するための実習 介護タクシーの実習の日だ。
集合は7時10分、タクシー会社にて。
実習開始は 7時30分。
実習させていただく身として、当然遅刻厳禁。

ホームヘルプ(訪問介護)の実習をせずに、介護タクシーを選んだのは、
方向音痴の和美は決して介護タクシーの運転手にはならないが、
だからこそ一生に一度経験してみたかった。

前の週の日曜日に、一度会社を探しに来ている。
ネットで調べて来たのだが、そこは方向音痴、通り越してまで行ってしまった。
ここ荒浜地区は、海沿いで 子供が小さい時 家族で毎年訪れていた。
その海の堤防の入り口には見覚えがあり、間違いなく通り過ぎたとわかった。

車を返し、見覚えのある入り組んだ家々の間を通り抜け会社を探す。
先に実習に来ていた同級生が、「救急車がいっぱい停まっていた」と言っていた。
それこそが介護タクシーなのだが、見たことのない和美は訳もわからず救急車を探した。
思いのほか、タクシー会社は海沿いで、かえって海からの方がわかりやすく近かった。

そのタクシー会社に、遅刻しないように朝5時に出たのは、家から約2時間かかるからだ。
しかし、実際 朝は車がとてもすいていて、一時間弱で着いてしまった。
和美はタクシー会社の近くに車を停めて、時間をつぶした。

やがて、職員の方たちが出社し、学校から言われていたキチンとした挨拶をすると、今日の担当の方を紹介された。
その方、渋沢さんは 五十代半ばのベテラン運転手だった。

続く
2011年5月2日(月)

エンドレスヒール#46 -3.11

かあさん、僕が帰らなくても何も無かったかのように生きていってね

次回 エンドレスヒール#47 へ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n317a18e23748

前回 エンドレスヒール#45 は こちらから
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