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トンニャン#54(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「クビドリオールの巻」のような意。話の位置は前回の「ラファエルの巻」の次。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「父上も母上も、魔界のすべてが、俺とサーティがいずれ結婚し、父上と母上の後を継ぐと思っていたと思う」
「そのためにサーティは生まれた。サーティは、リリスの子なのか?」
「それは、よくわからない。でも、サーティの能力は俺も全部わからないんだ。もしかしたらサーティは、俺の知らない事も知ってるかもしれない」
クビドはリオールの話を聞きながら、またカップにカモミールを注いだ。

 
「サーティとの婚約は近かったはずだ。でも、俺は父上の許しが出るまで、サーティとはキスしかしなかった」
「まじめな事で」
「ちゃかすなよ」
「ごめん」
クビドはカモミールを飲んでいる。

「そんな時、父上から魔界の見回りを言い付かって。・・・その時光が・・・コーラが堕ちてきたのを見つけたんだ。
その光はあっという間に闇の衣をまとって、魔女達のひしめく天秤に堕ちた。俺はコーラを見失わないために、すぐに弾き飛ばしたんだ」
「その闇の衣というのが、自らの記憶と翼の跡を封印した時だな」
「おそらく。それからずっとコーラを追いかけていた。コーラが成長するのを楽しみに待っていた。父上の別宅に住み始めた時も・・・」
「コーラを追いかけた事で、サーティは忘れてしまったと?」
「あぁ」
「ずっと忘れてたのか?」

 
リオールもカモミールを口にして一息ついた。
「コーラの事しか頭になかった」
「そんなに忘れていられるのか?」
黙ってうなずくリオール。
「おまえ、それはひどすぎるな」
「自分でもそう思うよ」

「でも、ルシファーは何故コーラとリオールの事を許したんだろう?」
「あの時は夢中だった。コーラの気持ちが父上にあっても、どうしてもコーラを自分のものにしたかったからな。でも、今考えるとよく許してくれたもんだ。サーティの事もあったのに」
「・・・コーラの父親はまだわかってないんだろ?」
「わからない。ブラックエンジェルは天使長を誘惑した罪で堕天したが、好きだった上級天使もいたそうだし。しかも本人はそれを封印されて、思い出せないらしいからな」

 
クビドが話の後先を思い描くように、カモミールのカップを手の上でもてあそんでいる。
「さて、肝心の事だ」
「今の・・・サーティとの事だけど」

「サーティも結婚した。三大実力者のひとり、アスタロト公爵と。そしてルシファーの城の西に新しい城を作って住み始めた。アスタロトは、もともとの領地にある自分の城とサーティの城を、行ったり来たりしている。それが何故?」
「いまさら、だよな。ありえない話だ」
「ちゃんと話せ」
「ん・・・うん・・」
「話せ」

 
「サーティに呼び出されたんだ。」
「初めてか?」

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン#54(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)

※トンニャンシリーズの「〇〇の巻」noteなら、ほぼ五回。
これから時間のある時に、一挙に五話アップします。
たまにしかアップできないので、お時間のある時、ゆっくり一話ずつ読んでくださると嬉しいです。

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

※トンニャンが全部読めるマガジンはこちら
https://note.com/mizukiasuka/m/mf04f309d9dfc

次回トンニャン#55クビドとリオールへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/nd7c004916bde

前回トンニャン#53 クビドリオールはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n2c11d64e023d

最初からトンニャン#1は
https://note.com/mizukiasuka/n/n2fc47081fc46

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