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Love's night #13

タカネは軽い昼食を用意していたので、間もなく四人は食卓についた。

食事の場でも勢(せい)の口は重く、はしゃぐ更冴(さらさ)が話す言葉に、

タカネ比留川(ひるかわ)が相手をしているという感じで、

肝心の結婚の話など微塵も出る気配はなく、にとって辛く長い時間が過ぎた。

比留川にとっては どんな時間だったのだろうか。

重苦しい中にも、明るい更冴だけが救いだった。

食後のお茶を飲む頃には、興奮しすぎた更冴が ぐずり始めた。

疲れて眠くなったのだ。

温かくなった更冴の手を握り抱きしめてやると、安心したのか更冴は眠ってしまった。

比留川の腕の中で。

は アパートの部屋に戻っていた。

眠ってしまった更冴を理由に、比留川から更冴を受けとり、早々にひきあげたのだ。

帰る途中で目を覚まし べそをかいた更冴だったが、自宅に帰ると、

疲れすぎて夕食もろくに取らず、まだ日が高いうちに眠ってしまった。

ひとりになると、勢は罪悪感で引き裂かれそうになった。

タカネの姓が『比留川』と知ったのは、付き合い始める前だった。

保育園のお手紙か何かで、タカネの紹介文が書かれているのを読んだ。

だが、心に蓋をして忘れようとした。

比留川という珍しい姓。

ひと言聞けば、それで真実が知れたはずだ。

しかし、は それをしなかった。

それどころか、何も見なかった、読まなかったふりをした。

タカネと付き合い始めてから なおさら、自分の中のタブーとして封印し、わが身を欺き続けた。

そして 更冴と三人で楽しい時を過ごし、タカネと肌を重ねるたび、

自分のタカネに対する想いが深くなっていくのを抑えることができなかった。

ありがとうございましたm(__)m

Love's night #13


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#14へ続く
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