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和希そら主演、夢千鳥を観劇して思うバウで名作に当たる確率

表紙に使ったのは華麗なる千拍子のレコードジャケット。レアなステレオ盤(そのために本文とは全く関係はありません。)

タカラジェンヌにとって、「バウホールで主演」する、というのはトップスターになるためには必要なことだ。新人公演で主演をして、バウホールで主演をして、そして劇団内での地位や人気を獲得して、トップスターになる。

しかし、バウホールでの主演なんて、数に限りがある。多くても片手で足りるほどにしか主演はさせてもらえない。そして、主演したからといって客入りが悪くてもダメ、台本がいまいちで公演評が悪くてもタカラジェンヌにも風当たりが強い。これは、なぜかというと「台本がタカラジェンヌを輝かせてくれないからバウホール公演後に人気が爆上がりしない」ということが起き、ちょっとスター路線から外れていく、そんなこともある。

新人公演もそういう部分があるのだが、それはちょっと別の機会に置いておいて。

 5/8に、宙組、和希そら主演の『夢千鳥』を見た。竹久夢二と、それに似た人生を送る60年代の映画監督との2役を演じ、脚本も良かったし、下級生も頑張っていた。脇を締めている美風舞良副組長も、非常に良かった。
彼はこれでバウ主演は2作目。ただ、1作目を考えるとこれが初登板だ。

上田久美子先生を筆頭に、最近の女性演出家のデビュー作は非常に佳作が多い。この台本に当たり、やりのけたあと、タカラジェンヌの実力はびっくりするほど伸びる。

たとえば、朝夏まなと・望海風斗の花組時代のバウ主演はひどかった。生田先生のBUND/NEON、田淵先生のVictrian Jazz、忘れたとは言わせないw

他にもこのケースはいろいろあるのだが、最近の佳作を出していくと。

・月雲の皇子
・龍の宮物語
・夢千鳥

あたりが代表作かと思う。タカラジェンヌにとってのバウホール主演というのは、本当に数が限られているのだから、「人気があるから演出はチャレンジで!」というのはどうかと思う(多少は考えて、劇団)。

そしてとにかく、夢千鳥はよかった。日本物をあまりしていない宙組だが、非常に頑張っており佳作だったと思う。96期生で男役トップスターになれるとしたら彼だけなので、今後も要注目で頑張ってほしいと期待している。

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