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生きる

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ー破壊そして再生へー
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2023年4月の記事一覧

<終末の人間>とはわたしたちのことなのかもしれない

ニーチェのこの言葉を知っていますか? この言葉にはじめて触れた時、何とも言葉にしがたいものをニーチェにつきつけられたそんな気がした。 今の時代は、まさに虫けら同然の人間ばかりになってしまっているのかもしれない。ぬくぬくとした場所に逃げ込みというのは、自分を誰も否定しない、言ってみれば、自分ワールドの事。この自分ワールドの中で暮らしていれば、誰とも接触することはなく、ただ自分だけが幸せでいられる。 ニーチェは、この自分ワールドの中に自分に都合の良い人間を引き入れて、そのも

日本人という種(形なきものの形を見、声なきものの声を聞く)西田幾多郎

この言葉は今この現代を生きるわたしたちにとってとても重要な言葉であると私は考えています。 わたしたちは日本人でありながら、その思想は今や西洋の思想「有」の思想にどっぷりと浸かってしまっています。 西田幾多郎が言うように、東洋文化の根底には、「無」の考え方が潜んでいた。東洋文化には「形なきものの形を見、声なきものの声を聞く」といった「無」を求める要求がある。 でも今現代を生きるわたしたちには、もはやこの西田のいう「形なきものの形を見、声なきものの声を聞く」という事が出来な

きちんとするってなんだ?

ニ、三日前から、千葉雅也さんの現代思想入門という本を読みだした。 この本の冒頭に「現代ではきちんとする方向へと、色々な改革が進んでいて、それにより、生活がより窮屈になっている」という文言がありました。 きちんとする、ちゃんとしなければらなない。逸脱を取り締まって、ルール通りにキレイに社会が動くようにしたい。 これはまさに千葉さんのおっしゃる通りで、わたしたちはいつからか、綺麗なものこそが一番素晴らしいものだという幻想にとらわれるようになってしまったと私自身も強く感じると

進撃の巨人(壁の中の人間)

進撃の巨人の冒頭にアルミンが言う強烈なセリフがある。 この言葉は、この物語を見るものに対する著者の強烈な皮肉なのではないかといつも思わされる。 現代に生きる私たちは、今まさにこの状態。 今までが何もなかったから、これから先も特に何もなく穏やかに暮らしていけるだろうといった安易な気持ちで日々、大人たちは特にこれといった緊張感を持つ事もなく生きている。 このアルミンの言葉を聞くたびに、これと似たような事を言うエレンの言葉を聞くたびに、私は自分の心がえぐられる。 彼らの言