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登りたい山のタイプと、得意な時間軸

私は、仕事をする上で一人一人に得意な「山の登り方」と、得意な時間軸があると思っています。「山の登り方」は成果を出すためのアプローチ方法、得意な時間軸は成果を出すためにかける時間の長さです。

例えば、デイトレーダーと呼ばれる人たちがいますが、日々の株価の値動きをみて瞬時に売ったり買ったりするこの仕事の成果までの時間軸は1日単位、もしかすると数時間単位かもしれません。山のタイプも、どちらかというと富士山のような雄大な山というよりは、角度は急でも比較的小規模なアップダウンを日々登ったり降りたりしているようなイメージです。

一方で、最近はあまりないかもしれませんが、例えば特定のエリアに線路を敷いたり、日本全国に上下水道を整備したりするようなお仕事は、もっとコツコツ積み上げるタイプで、どちらかといえば富士山タイプの山に見えます。時間軸は、プロジェクト全体を見ている人は5年以上と長く、小分けにされた部分を分担して請け負っている人は「この町の完遂まで3ヶ月」「来年までに全ての配管工事を終わらせる」といった小さなゴールを設定し、日々積み上げていっているかもしれないので、担当によって異なるかもしれませんね。

以前、キャリア形成に悩む後輩の女の子(Nちゃん)と話していた時に、私自身についてはこんな風に話しました。

"高校時代、文化祭で演劇をやっていたこともあって、年に1回の晴れ舞台のためにガーッと準備をするのが好き。舞台が終わったらしばらく抜け殻になって、少ししたらまた1年後のために動き出す。
商業施設で働いてると、年に2回のバーゲンに向けた準備と、その後の温度の下がり方が文化祭にちょっと似てるなって感じるし、肌に合ってるなと思う"

"私は、まだゴールが決まってないか、例えゴールがあるとしても達成まで数年かかるような、ふわふわした企画に携わるのが得意。人によっては、1ヶ月や半年単位で形にならない・成果が見えにくい取組みに関わることが苦手な人もいるみたいだけど、私は全然平気。むしろ自由度が高くてワクワクする。逆に一定の成果を毎月追えと言われてもちょっと難しいかも。

文化祭の場合、1ヶ月前と半年前ではやらなきゃいけないことが全然違う。半年前は脚本について話し合ったり、キャストやダンスの振り付けを決めるのが山場。1ヶ月前はとにかく舞台を通してやりきるための段取りの確認が大事。山登りに例えると、毎週末いろんなクライミングウォールを順繰りに登りに行ってるような感じで、常に変化があるのが好き。"

この後、Nちゃんの得意な山のタイプと時間軸を探していったのですが・・・皆さんはどうでしょう。ご自身の得意な山のタイプと時間軸、思い浮かびますか?

こうしたタイプの違いは自分ひとりで考えるよりも、比較対象がいた方がわかりやすいので、周りの方と話してみるのも良いかもしれません。業種や業態で一概に言えるものではないので、きっと同じ職場にも様々なタイプの方がいると思いますが、前提が似ていない、異なるタイプの仕事をしていそうな人と話してみるのがオススメです。

私は1年だけ、大企業の財務部で資金繰りを担当していたことがあるのですが、店舗を持つビジネスは基本的には時間軸が短いことが多いです。銀行からの借入も3年や5年が基本で、7年や10年だと長いほう。環境変化も激しいので、10年超の借入はしない、というのが基本方針でした。

一方で、鉄道や不動産など長期間でたくさんのお金が必要なプロジェクトを遂行している会社では、10年以上の借入が当たり前だと聞きました。そもそものビジネスモデルとして、お金を投資してから回収するまでのスパンが長いので、長期での借入が合理的なんですね。その分、環境変化のスピード感も、比較的ゆっくりな業界なのかなと感じました。

大事なのはあなたにとって得意で、居心地の良い山のタイプと時間軸の傾向を知っておくことだと思います。キャリアを積むごとに許容範囲が広がったり、徐々に長いスパンが大丈夫になったり、ということもあるかと思いますが、まずは今の自分にとって何が居心地が良いのか、ぜひ考えてみてくださいね。


*この内容は昔読んだコチラの本に影響を受けてます。

上記がハマった方はコチラもオススメです。



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