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映画「ラストマイル」を見て、「三方良し」を考える。

エンターテイメントは、社会問題に対して、どれだけの影響を与えられるのでしょうか。

満島ひかりさん主演の映画「ラストマイル」を観てきました。
めちゃくちゃ良かった。
話の展開に置いて行かれないように必死で観てしまうスピード感、大好きなドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」が想像していたよりもガッツリ絡んでいるワクワク感、豪華なキャスト、そして、便利さを追い求める現代社会への問題提起。
おもわず、半年間もご無沙汰だったnoteに感想を書きたくなる程に、最高でした。

「ラストマイル」とは、商品などの荷物が、販売事業者の元から倉庫などを経て、最終拠点から顧客のもとに届くまでの最終段階のことを指す言葉だそうです。

流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、
世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。
やがてそれは日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく―。

映画「ラストマイル」公式サイトより


爆発シーンの迫力やヒヤヒヤ感、唾を飲み込むようなシーンだったりと、エンターテイメントとしてすごく面白かった!
でもそれだけでなく、物流業界を描くことで「あなたの欲しいものは?」と、自らへ問いかけさせていました。

私は、メッセージ性をもつエンターテインメントが大好きで、映画やドラマ、音楽などに、つい意味を求めてしまいがち。
実際に、直接的にも間接的にも、社会問題を描いている作品は多いけれど、これらが投げかけた問題提起は、どれだけの人に届き、どれだけの人の行動を変化させているのだろうか。

「ラストマイル」を観た後、「これって本当に欲しいものだっけ」と自分に問いをたてたり、宅配ではなく店舗に買いに行ったり、配達員さんにお礼を伝えたり、目の前にあるものがここに至るまでの過程や、そこに関わっている人のことを想像できる、そんな人が、一人でも多い世界であってほしいなと願います。

人が死んでるのに流通を止められないって、怖い社会になってしまいましたね。
責任感をもち懸命に働いてきた人間が、常々感じていた違和感が大きな不信感へと変わり、自らの命をもって会社や社会へ訴えたとしても、それは一瞬のうちに処理されて、社会は日常を取り戻す。

速くて、安くて、良いモノを求める消費者、競争に勝たなければ生き残れない企業、自分の生活を守るために必死な労働者。

人の善意に付け込んだ横暴さ、相手への無茶な要求、自分を犠牲にする働き方、これらを少しずつ改善していって、ただ便利なだけでなく、気持ち良く快適に過ごせる未来が良いなと思います。
「三方良し」の考え方が、好きだなー

三方良し:江戸時代に活躍した近江商人の経営哲学のひとつで、事業活動において「売り手」「買い手」「世間(社会)」のすべてが満足できるようにすることを目指す考え方

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