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一穂ミチ先生の直木賞受賞によせて。

一穂ミチ先生、受賞おめでとうございます。

上記は、以前読んだ感想をポストしたものです。
そして、「ツミデミック」は以下の通り同期会の原稿に書いていました。

  本を読む喜び
              このところ、図書館で本を借り、色んなジャンルを読んでいる。以前は、ほとんど推理小説しか読んでいなかった。
最近、「あの本、読みました?」という鈴木保奈美さんが司会をしているBSテレ東の番組や、YouTubeの本を紹介する番組をみている。そして、その中で紹介された本を図書館で予約して借りている。
「成瀬は天下を取りに行く」今年の本屋大賞を受賞した本だ。本屋大賞の候補作のうちに図書館へ予約したら、案外早く順番がまわってきて読むことができた。成瀬という個性的な女子高生が、周囲の評判など気にせずに自分のやりたいことをやっていくという話だ。面白かった。こういう話は、今まで読んでみようと思ったことはなかった。今までもったいないことをしていた。
今まで読んできた中でも、特に好きな作家は一穂ミチ先生や三浦しをん先生、万城目学先生だ。一穂ミチ先生は、日常に潜む恐怖、ひとつ何かをかけ違えただけで今までの生活が変わってしまうということ、そのあたりに暮らしている人の気持ちを表現するのがうまいと思う。三浦しをん先生は、小説に出てくる人間同士の関係性を描くのは天下一品だと思うし、またエッセイが一風変わっていて面白い。何事にも自分の目線で、正直に思っていることを気取らずに書いているのが素晴らしい。万城目学先生は、人外のものが普通に人間の生活の中にいること、一緒に行動することが全く違和感なく、読みやすい文体で書かれている。最近、「八月の御所グラウンド」で直木賞を受賞した。この話もそうで、読みすすめていくのが楽しかった。
好きな作家の小説を、何度でも繰り返し読むのが私は好きだ。自分で購入するのは繰り返し読めることを重点におくので、なかなか新しい作家を開拓することはない。でも、図書館で少し興味をもった本を借りて読むことができるのはありがたい。そして、そこからまた好きな作家ができ、新たな世界が広がることが嬉しいと思っている。

5月の同期会の原稿より

ロマンス⭐︎という短編は、ぜひ読んでほしいです。
コロナ禍の先が見通せない中、デリバリーサービスのイケメンに会えないかと主婦がデリバリーを頼みまくり、浪費を夫に咎められ、主婦は追い詰められる。そしてラストは……歯車が狂うとここまでいってしまうのかと怖くなりました。
この主婦もコロナ禍さえなければ、こんな結末を迎えずに、幸せな家庭を築いていたのではないかと考えてしまいました。

私もコロナ禍の最中は、この先どうなってしまうのかという恐怖に怯えて、何もできず鬱々とするだけの日々でした。
その中でも、このような素晴らしい作品を書いて、それが受賞したということが、とても明るい気持ちになりました。

私も書くことをしている者として、今からでも何かしらできることをやっていこうと思えました。

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