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#236 フランスでキャンプしてます 《かの国のキャンプ事情》


私たち家族がフランスで初めてキャンプをしたのは20年以上前のことだ。
あの頃キャンプ場には朝決まった時間にパン屋さんが軽トラでやってきた。

余談になるが、無口で引っ込み思案な長女を初めて一人でバゲット2本のおつかいに出した。イヤだイヤだと言ったが大丈夫大丈夫と背中を押した。「ドゥバゲットシルヴプレ」を反芻しながら半泣きで向かった彼女だったが、バゲット2本を胸にかき抱いて戻ってきた輝いた顔が忘れられない。
大学でフランス語学科を取り21歳でパリへ渡りフランスの人と結婚までしてしまうなんて、その頃は知る由もなかった。

話しを戻すが、その頃のバゲットは1週間も続くと顎が外れるのでその都度ガクっと戻し、それでもやめられないほど美味しかった。それほど咀嚼が必要なのに、焼き立ての朝のバゲットは、えもいわれぬ美味しさなのだ。
ところがだ、あろうことか5年ほど前にパリで食べたバゲットがまるでイギリスのスーパーで買えるバゲットなのだ。あの、私がいつもガッカリしているものがパリで出てきたことに衝撃を受けた。
本家本元なら間違いないと思っていたフランスパン。いつの間に中がフワっとモソっとしたキメが細かいパンに成り代わったのだろう?私が食べたいやつは「バゲット•トラディシオン」と注文しなければいけないものになった。そしてそれは少し割り高なのだった。

さて、現在絶賛キャンプ旅行中の私たち。今でもキャンプ場では前日予約すると翌朝8時ごろ受付にまだ温かさの残るパンが届けられる。最高だ。
フランス映画でむき出しのバゲットを握って歩いているのを観たことがあるだろうか?手で掴むところに紙も巻いてくれないブーランジェリー(パン屋さん)は結構ある。そのまま持つのも車に載せるのも抵抗があって、ツーリストインフォメーションでもらった地図でクルクル巻いてしまった。

フランスのトイレは便座の付いていないものがまだよくある。(注: 公衆トイレとかキャンプ場とか、私たちの行動圏がベーシックだからだと思う)
むき出しの陶器の便器のフチには触れたくないので、スクワットで用を足すことになる。これが普段やらない中途半端なスクワットなものだから、途中膝がガクガクしそうになるお年頃。筋肉を緊張させながらではなかなかお通じに発展しないというデメリットもあるとかないとか….

入り口にある電気のスイッチを押す。これが一定時間で消える仕組みになっている。キャンプ中はオーバーオールを着ている私だが(ブラをしなくて済む利点あり) クリップを外した端っこがトイレに落ちないようにズボンの中に押し込むのが先だ。それから用を足していると電気の許す時間を超えるのだ。もういい加減にしてほしい、必ずそれは私がスクワット状態の時にパッと消える。
早いだろ⁉︎
昼間ならばまだ日の光が漏れてなんとか見えなくはないのだが、夜は真っ暗闇の狭い空間にひとり残される。これは切ない。「怖い」以前にやってることが見えない。あまりに手探り過ぎて笑えるレベル。
実は個別のトイレ内にスイッチがついていて、電気が消えたら自分で点けることができるはずなのに、それが壊れてたら意味ないでしょー。こういうところ、なかなか慣れないわ〜フランス。
オリンピックやってるパリはさすがにいろいろ整備されたと思うけれど…

障害の多いフランスのトイレ事情だが、キャンプ場ではトイレットペーパー持参が一般的な気がする。

明日は、このようなキャンプ場で私たちがどんなキャンプをしているのかを書こうと思う。



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