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#180 祭りの後は、片づけに抵抗してしまうんだな


一年前、『イギリスのクリスマス』シリーズで話題にしたのだが、当然のように、ここには日本のようなお正月のディスプレイはない。
したがってクリスマスツリーや家々の庭、街の電飾は、ニューイヤーを過ぎた今でもひきつづき飾られている。
これは、東方の三博士 (Three kings とも呼ばれることもある) がベツリヘムに輝く星を頼りに参上する夜がやってくるまでという意味がある。
イエス様が誕生された馬小屋を探し当て、贈り物を捧げる、その夜が 'Twelfth Night' (12日目の夜) というわけだ。
それは1月6日にあたり、その夜を待ってから、クリスマス色がすっかり消えるのだ。

日本人である私には、新年以降もまだクリスマスシーズンなのが未だにしっくりきていない。
できるものならしめ飾りや門松、鏡餅に囲まれたいけれど、それはないものねだりでしかない。


クリスマスはこの国の一大イベントなので、国民の消費も最大限に拡張する。


今年のイギリスでは、10月から食費・光熱費が爆上がりしているので、我が家も新しいものを買うなんてことはせず、いつも通り『工夫』しつつクリスマスを迎えた。まあ、エンゲル係数のさらなる急上昇程度で乗り切ったと言えよう。

今回は娘の婿どのも、おフランスからやってくる。
せめてフェスティブ気分を出そうと、私のやった製作費ゼロの超絶エコノミカルな飾りつけを紹介‥‥

まず、庭仕事用の麻ひもをかぎ針でゆる~く鎖編みしていきます。それをピーンと張り渡し、その鎖の穴にただ枝を差し込んでいくだけ‥‥

ああ、J'adore‥‥ そう、邪道です。

ラウンジの暖炉の上

上の画像は暖炉の上の台ですが、真ん中に一本だけは、ごく目立たぬように小さな釘で固定する必要あり。

材料はすべて、家族で散歩した時にチョッキンともらってきた自然の常緑樹。
大丈夫、誰からも咎められないくらい田舎ですから‥‥

お次は玄関ホール。
いつもはひとりでやることを、手伝ってくれる娘がいるのもなんだか嬉しくて‥‥

こんな感じでフェスティブ感がでました


クリスマスを一緒に過ごす家族それぞれのイニシャルのクリスマス ストッキング(靴下)の中には誰が誰のため何を入れてもいいよ、ってことになっている。

日を追うごとにパンパンになっていく靴下

古いブランケットをリサイクルしたウール100%の靴下たちは私が何年か前に作ったものだ。
子どもたちのパートナーのイニシャルもあり、その年に一緒に過ごせる人の分だけ出している。



そして、賑やかだったフルハウスのクリスマス時間も終わった。


終わるということは、一緒に祝うために集まった人たちもまた、散っていくということ。
残っている飾りを、夫は「時間があったら片づけてね」と言った。「別に6日の夜まで待たなくていいから‥‥」と。

鉢植えのクリスマスツリーを庭に出し、来年また使いまわせる飾りもすべて取り除いた。
なのに、ここでさよならすることになる生ものだけは、なんだかもうすこし置いておこうよ、と抵抗しているのだ。
最後に写真に収めたりして‥‥

ああ、終わったんだな、っていう哀愁がちょっと漂っている


クリスマスの終わった後のイギリスの人たちは財布の紐も引き締まるし、体のデトックスとしてダイエットを始めなきゃと青くなっている人も多い。
そう‥‥暴飲暴食、爆買いのつけは1月に来る‥‥

しばらくは家も職場も、チョコレートで溢れかえっているのに、ちょっと食傷気味な、それが1月。

まさに祭りの熱気が、終わって残る余韻に似ている。

家の中を通常に戻したい気持ちと、まだ祭りを終えたくない、この矛盾する気持ち‥‥

1月6日にもなって まだこんな記事を書いているのは、誰かに「それ、わかるよぉ!」と言って欲しかったからなのかもしれない‥‥


【投稿後記】
私の、丸ごと捨てるだけの緑の飾りは、無事に庭のコンポストの山へ場所を移しました。
片付けも早かったし、このアイディアはとってもSDGsでした。
noteに投稿したおかげで「わかる!」とTwitterで言っていただき、やっとスッキリできたというわけです。
ありがたきnote効果!


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