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注文住宅のネットワークを10Gbps/CAT6Aで設計・実装する!



注文住宅を建てる上で、悩ましい問題はインターネット設備をどうするかという問題です。最近だと、有線で各部屋に線をもっていく人もあまりいない、というこということです。

ところが少なくとも何事もなければ死ぬまで住む家で、10年後の接続方法なんてどうなっているかさっぱりわかりません。なので、ネットワークの拡張性を考慮した配線設計を当初から要求しました。無線LANの設計もそうとう考えてやったので、また後日記事にします。RaspiでIoT系のIPをDHCPで寄せたり、マルチゲートウェイ構成なのでそのルーターを変更したりとかいろいろやっています。


現状自宅はCAT6aですべて10Gでネットワークが組めており、フレッツ光クロスで1.7Gbpsぐらい有線で速度が出ています。


まずは、どうやって住友林業を説き伏せたのか、という話から始めます。そのためには、現在のネットワークケーブルがどのような規格になっているか正確に理解してないと返り討ちに遭います。

いま家電量販店に行くと、カテゴリー7というケーブルが売っています。ところがカテゴリー7やカテゴリー7aで、通常のLANポートに差し込んで使うRJ-45のコネクターのケーブルは規格上存在しません。RJ-45の上位互換のGG45か、TERAコネクタという独自計上になります。そもそもカテゴリー7はメタルのケーブルで長距離(100m以上)で10GBase-Tを実現するための規格(本来なら光配線でやる領域)です。そのため1mや3mのカテゴリー7のケーブルは害悪です。ゴミです。いますぐ窓から投げ捨ててください。さらにいえば、STPという全線がシールドで覆われたタイプしかカテゴリー7は存在しません。さらにSTPケーブルは一般家庭ではアースとかの問題でそう簡単には使えません。なので、カテゴリー7のケーブルをひいてください、というのは情弱の証なのでハウスメーカーに一蹴されます。実際に同時期にリモートワークが流行りだして、住友林業の同じ支店でカテゴリー7を引きたいとに相談しにいった人は誰一人として敷設できていません!!(なので、住友林業で、家内LANを10Gbpsに出来た初めての人になりました。)

というわけで設計さんと営業さんに話をして、「このおねーさんがやるなら大丈夫だ」と納得させたところで、標準仕様を確認しました。(おばさんと書こうと思ったけど自重しました)

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住友林業では、インターネットや電話は、情報分電盤と呼ばれるところに集約され、そこから通常はCAT5e(1Gbps相当)のハブが標準でおかれます。各部屋には「情報コンセント」とよばれる、壁埋め込みのロゼッタで配管をされます。

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ここを今回CAT6aに全部置き換えるのがゴールになります。また、2Fの情報分電盤のある機械室から、1Fの私の作業スペースに光ケーブル用の配管を通すというのも行いました。こうしておけば向こう10年は戦えるはずです。配管の曲率の設計を行い、光ケーブルが通ることは確認しました。当然情報複合ケーブルは支給されますが、LAN部分を全部廃棄しました。

住友林業では、ちょうど2020夏に情報分電盤があたらしくなりましたが、まだCAT5aだったのでケースとアンテナの分電盤のみ利用し、ハブなどはキャンセルしました。また、情報コンセント+無線LANというのもありましたが、まさら11acなのと(今でいえばWiFi5相当で、現在の最新のWiFi6は11ax)こういう埋め込み型をやってしまうと、あとから取り返しが付かないので不要ですといいました。

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今回施主支給として以下を行いました。
・CAT6aのUTPケーブル
日本製線(株)製CAT6A対応UTPケーブル
https://nscable.co.jp/product/cable/lan/

・CAT6aの壁用ロゼッタ
Panasonic 情報モジュラジャック(コスモシリーズワイド21用)WZ7519W
https://www14.arrow.mew.co.jp/scvb/a2A/opnItemList?s_hinban_key=WZ7519W&search_kbn=0

・CAT6aのRJ45コネクタ
Panasonic 情報モジュラプラグ(CAT6A)WZ7522
https://www14.arrow.mew.co.jp/scvb/a2A/opnItemList?s_hinban_key=WZ7522&search_kbn=0

・CAT6aのRJ45工事用の専用の治具 WZ7521
Panasonic 情報モジュラジャック結線専用ツール WZ7521
https://www14.arrow.mew.co.jp/scvb/a2A/opnItemList?s_hinban_key=WZ7521&search_kbn=0

ところが、電気屋さんがCAT6aの施工が出来ないと言うことで、配管のLANケーブルだけ通して貰い、壁の施工は私がやることになりました。

実は10Gbpsのハブは基本はSFP+というアダプターを使う形になっていて、光やメタルを自分で好きに選んでねというタイプのが多い状態です。しかもデーターセンター用の機材ばかりになります。そのため、情報分電盤に入らないのでケーブル長を取っておいてくださいというお願いをしておりましたが、伝達ミスと思い込みでケーブル長をほとんどとっておいてくれてませんでした。そのため、ハブに届かないという緊急事態が起きたために、急遽CAT6a用の情報モジュラージャックをかき集めて施工をしました。(結果的には取り回しが良くなりましたが、ちょっと焦りました)

なので施主支給として
・CAT6aの情報モジュラージャック
Panasonic 情報モジュラジャック(露出型)WZ7520
https://www14.arrow.mew.co.jp/scvb/a2A/opnItemList?s_hinban_key=WZ7520&search_kbn=0

が増えました。

SFP+のアダプターはfs.comという、純正はクソ高いけど互換品で定番とよばれているところから買いました。

また、CAT6aのケーブルは中に芯がはいっているタイプなので、壁に対して厚みがないとケーブルを立ち上げることができなかったりします。そのため、配管を含めて現地調整を電気屋さんとすみりんの生産さんとほぼ毎日行いました。

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結果的に、宅内すべて10Gbps配線となりました。NASへのデーター書込が安定したり、大量のデーター転送が安定しています。

ルーターで今回メインはUnifiのDream Machine Proを購入した関係で、10GbpsのハブもUnifi Switch 16XGという10Gbpsハブを導入しています。

ネットワーク設計についてはまた別途記事を書きますが、前述の通りゲートウェイが複数存在します。NTTのフレッツ光クロス10Gbps、フレッツ光ネクスト+ひかり電話+追加セッションという構成を一つのネットワークに押し込めて、子供達のゲーム用のネットワークと、自分の仕事のネットワークをIPv4/V6を混在させて割と安定して運用できています。大学生の頃にインターネットマンションの工事アルバイトにいってたのが役に立ってますね。


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