マガジンのカバー画像

【小説】奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編

54
小説 奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編 をまとめました
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

【小説】奔波の先に 〜聞多と俊輔〜#22

異国(3) 聞多がまず気がついた。船の揺れが大きくなっている。 「うーん船が揺れだしてい…

瑞野明青
2年前
2

【小説】奔波の先に 〜聞多と俊輔〜#23

異国(4) 一番の苦労は便所がなく舳先で用を足す事だった。航路は南洋に差し掛かり、海の荒…

瑞野明青
2年前
2

【小説】奔波の先に~聞多と俊輔~#24

異国(5) 聞多や俊輔は政治や社会の仕組みに興味を持ち、弥吉は鉄道、山尾が造船、遠藤も化…

瑞野明青
2年前
1

【小説】奔波の先に~聞多と俊輔~#25

帰国(1) 聞多と俊輔は帰国すべく、船の中に居た。急に無口になった聞多を心配していた。 「…

瑞野明青
2年前
3

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#26

帰国(2) 交渉して、3日後の船に乗ることができることになった。その間上海で落ち着かない…

瑞野明青
2年前
4

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#27

帰国(3) アーネスト·サトウとは、何よりも友人と認めることができるほど、話し合うことが…

瑞野明青
2年前
3

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#28

帰国(4)「すまん入る」  と言って聞多は、部屋に入り込んでいった。 「おう、大和に内蔵太久しいのう」 「何言っとる。昨夜顔は合わせちょる。何も話せんかったけどなぁ」  大和がからかうように聞多に声をかけた。その雰囲気には合わせずに聞多は切り出した。 「殿はおいでか。お目通りを願いたい」 「大丈夫じゃ。お待ちになっとる」  渡邊内蔵太が答えた。  聞多は俊輔に向かって言った。 「俊輔ついてこい」  「はい」と消え入りそうな声しか出なかった俊輔は、聞多の後ろに付いていった。

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#29

帰国(5) 聞多は一度湯田の家に行った。聞多の井上家の屋敷は、三条実美の御座所にされてい…

瑞野明青
2年前
3