カツベン!

『活動弁士』をご存知ですか?

日本で映画が公開されてから、
字幕や音声が普及するまでの短い期間にサイレント映画にて
画面横の舞台に立ち、映画のセリフや説明を代弁していた弁士の事です。
その時代には映画俳優よりも人気な弁士がいたそうな。

私は映画が大好きにも関わらず、
お恥ずかしながらカツベンの存在を知らずにいました。

この映画は当時のカツベンの勢いを
面白おかしくコメディカルに描いており、
サイレント映画すら見た事ない私でも
存分に楽しめました。

登場人物もとても個性豊かなカツベン揃い!

幼い頃から活動弁士に憧れている。が、
様々な厄介事に巻き込まれ警察に追われながら活動弁士として頭角を現していく、主人公。

女性に大人気の色男で、自分に酔いしれるナルシスト弁士。
(本当にかっこいいのでこの弁士見たさに映画館に行くのも大いにアリ🥺笑)

そして、、
時代の進歩と共に、映画に音声がつくなど
『活動弁士』の存在意義を案じ悲観的になり
お酒から抜け出せなくなってしまった、
かつての大スター弁士。

この哀愁漂う元スター弁士の姿が終始切なく、
映画終了後も脳裏から離れませんでした。

自分が今まで自信を持ってやってきた事が、
時代の発展と共に必要性がなくなり途方にくれる。
これは一昔前に限られた話ではなく、
今現在も大いにありえる話。

常に進化していく時代。

特に、近代ではAIの急速な発展により
今まで人の手を使っていた仕事がAIが行うようになり、何年後かには
あらゆる職種が消滅すると言われています。
人手不足で色んなお店が閉店や営業縮小するなか、
この発展は助かる事ではあるかもしれませんが、
それと同時にその進化に私たちが共にどうついていけば良いのか。

そんな事をお正月から考えさせてくれる映画でした。

もちろん、映画はそんな重たいテーマをメインに置いてはなく
ユーモアに溢れ、家族みんなで楽しめる作品です。

活動弁士は、日本独自の文化でもあるらしいので時代を越えても残って欲しいものです。
そしてカツベンが活躍している映画、一度でいいから見てみたいなぁ。