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『誰が勇者を殺したか』

いつのまにか、私のなかにはラノベレーベルと単行本ファンタジーの間に何かの境界線があるような刷り込みが出来てしまってた。
もっとも、あの『十二国記』だって、元は講談社X文庫ホワイトハートで刊行されたわけで、ラノベレーベルからだって何かの境界を飛び越えて読み継がれる作品はいっぱい出てるんですよね。
とはいえ、ラノベと聞くと、どうしても初速型で人気絵師や人気作家のものがぱぱっと売れて沈静化して…という印象を持ってしまうんですよね。

そしたら、久しぶりにその境界線を突破して売れ続けている本があるというではないですか。それがこの『誰が勇者を殺したか』

魔王を倒した勇者。そのパーティーは帰還し、それぞれの生活を送っているというのに、勇者一人が帰らぬ人となった。魔王を倒すくらいの猛者が他の魔物にやられるなんてことはあるのか?
さて、その真相は… というミステリ仕立てのお話。

荒削りのところもあるし、ツッコミどころもあるけれどそういうところは目をつむって。「勇者」という”業”を考える小説として非常に面白かったです。
ドラクエで毎度毎度、目が覚めたら突然自分の肩に世界平和が乗っかってきた、という唐突なスタートを経験しています。じゃあ、なぜ勇者は勇者たれるのか。という、その世界の裏側、構造と、選ばれた勇者を襲う諸々。

改めて勇者とは!?を考えさせられています。
ぜひ大人の皆さんにも読んで欲しいし、感想を聞きたい作品でした。


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